地域がん診療連携拠点病院
当院は、厚生労働省より2003年(平成15年)地域がん診療連携拠点病院に指定されました。
地域がん診療連携拠点病院指定の更新は4年毎に行なわれ、2023年(令和5年)4月1日に更新指定されました。指定期間は、2023年(令和5年)4月1日から2026年(令和9年)3月31日です。
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“切れ目のない つなぐ がん診療”
当院では5大がん(肺がん、胃がん、肝がん、大腸がんおよび乳がん)のみならず、泌尿器がん、婦人科がん、血液のがんである白血病、悪性リンパ腫を含めすべてのがんに対して手術治療、抗がん剤治療、放射線治療等、患者さんの病状に合わせた最善の治療法を提供し、がん相談支援センターでは、がんに関する様々な相談に応じ、患者さんやご家族を支援しています。
【相談・支援】
①がん相談支援センター
②セカンドオピニオン
③AYAサポートチーム
【予防・早期発見】
【早期低侵襲治療】
【当院で行っているがん治療】
・手術
・放射線治療(⑦放射線科)
・がん薬物療法(⑧化学療法センター)
【がん診療支援】
⑨メディカルオンコロジーセンター
・緩和ケアチーム
・がんのリハビリテーション
【専門治療】
・ラジオ波治療
・ガンマナイフ治療
【遺伝相談】
・がんゲノム・遺伝診療部
【がんゲノム医療】
【緩和ケア(通院)】
・診療科外来
・緩和ケアチーム
【緩和ケア(入院)】
⑪緩和ケア科
・緩和病棟
地域がん診療連携拠点病院とは
地域がん診療連携拠点病院の主な機能として、以下に掲げるものがあります。
- 集学的治療(手術・放射線療法及び化学療法を効果的に組み合わせた治療)及び、標準的治療の提供
- 緩和医療の提供
- セカンドオピニオンの提示
- 地域の医療機関への診療支援や連携
- がんに関する相談窓口の設置
- 院内がん登録の実施
- がん医療に携わる医師等を対象とした研修
- がんゲノム医療の提供・連携
- AYA世代の治療及び支援の提供
など。
詳しくは、厚生労働省のホームページを参照してください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_byoin.html
地域の医療機関との連携体制
都内医療機関が共通に使用できる5大がん(肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん、乳がん)と前立腺がんの「東京都医療連携手帳(地域連携クリティカルパス)」の活用をしています。地域医療機関との連携協力体制をより充実させていきます。
- 東京都医療連携手帳の説明
【胃がん】【前立腺がん】【大腸がん】 - 診療報酬の算定について
東京都医療連携手帳については、下記URLよりご確認いただけます。
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/iryo/iryo_hoken/gan_portal/chiryou/critical_path.html
【相談・支援】
①がん相談支援センター
がん治療に関すること、病状について、精神的なこと、経済的なご心配事等、療養に関わる不安や悩みについて一緒に考え、より良い解決策が見つかるようにサポート致します。患者さんやご家族はもちろん、当院を受診されていない方もご利用いただけます。
②セカンドオピニオン外来
当院以外の主治医におかかりの方を対象に、診療内容や治療方法に関して当院の専門医が意見や助言を提供いたします。相談者のお話と現在の主治医からセカンドオピニオン紹介状、検査資料、画像資料をもとに相談をお受けします。
③AYAサポートチーム
AYAとは15歳から39歳の方があてはまり、ライフステージが大きく変化する年代です。そのため、がんの治療や療養が学業や仕事、結婚や出産・子育てなどへ影響する可能性があり、中高年以降の患者さんとはまた別の悩みをもっていると言われています。当院では多職種によるAYAサポートチームを結成し、AYA世代のがん患者さんへの対応を集約化、患者さんの個別性に合わせた支援ができるように取り組んでいます。
AYAサポートチーム紹介ページ
AYA世代 ご質問・ご相談の紹介ページ
【予防・早期発見】
④予防医学センター
がんや生活習慣病など、重大な病気を早期発見すること、未然に防ぐことを使命としています。生活習慣病とは、高血圧、高脂血症、糖尿病、痛風、腎臓病、虚血性心疾患、脳梗塞などの総称です。人間ドックによって生活習慣病やそのリスクがみつかった場合には、当院の医師による適切な指導も行っています。
【早期低侵襲治療】
当院にて提供可能な診療機能についてこちら
その他、各診療科のページをご覧ください。
⑤内視鏡的粘膜下層剥離術
早期消化器がん(食道、胃、十二指腸、大腸)に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:内視鏡を用いてがんのある部分の粘膜下層までを剥離し、病変を一括切除する治療)を行っています。ESDは開腹せずに腫瘍を取り除くため、患者さんの負担や後遺症を少なくすることが期待できます。
⑥ロボット手術
アメリカで開発された最新鋭の内視鏡手術支援ロボット“ダ・ヴィンチ“は、3Dモニターに映し出される患者さんの術野の拡大画像を確認しながら手元のハンドルを操作し、遠隔でロボットアームに装着された鉗子やメスを動かします。当院は、泌尿器科、呼吸器外科、外科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、を中心とした複数の診療科が一つの部門として集約することで、機能的に手術を実施できる体制を整えています。
【当院で行っているがん治療】
⑦放射線科
放射線をがんに対し高精度に集中させ、正常な臓器を避けて治療するために専用コンピュータの「高精度三次元放射線治療計画システム」を用いて、患者さん一人ひとりに適した治療計画を立てています。
⑧化学療法センター
化学療法センターは、占有面積404㎡に20ブース(個室タイプ6、オープンタイプ14)を配置し、治療中もゆったりとしたスペースでお過ごしいただけます。
【がん診療支援】
⑨メディカルオンコロジーセンター
腫瘍内科外来の開設に伴い、外来棟2階にメディカルオンコロジーセンターを開設しました。「腫瘍内科外来」「がんゲノム医療外来」だけではなく、隣接する化学療法センターとともに臓器・診療科・職種横断的に専門性を集結し、がん薬物療法を受ける患者さんへ包括的で全人的な治療・ケアを実践し、高いQuality of Survivalを提供いたします。
【がんゲノム医療】
がんゲノム医療中核拠点病院である東京大学医学部付属病院の連携病院に指定されています。患者さんへの適切ながんゲノム医療の提供をめざしています。検査を受けたい方や検査適応があるのかお悩みの方は、まず担当医もしくはがん相談支援センターにご相談下さい。
がんゲノム医療(患者さん向け)
がんゲノム医療(医療関係者向け)
【緩和ケア】
緩和ケア科
当院には、緩和ケアチームが組織されており、がん(悪性腫瘍)によって生じるさまざまな苦痛を和らげ、患者さんがご本人らしく生きていただくための治療やケアを専門としております。患者さんの生活の質(Quality of Life)を支えるためには、多職種連携によるチーム医療が必須です。今後は、かかりつけ医の協力・連携を得て、退院後の緩和ケア計画を含めた退院計画やかかりつけ医を中心とした緩和ケアの提供体制の整備にも取り組んでいきたいと考えています。
取り組み
- がん教育
児童、学生のみなさんへ「がん」について考えよう!!
現在では日本人の2人に1人が「がん」にかかる時代となりました。
治らないイメージをもっているかもしれませんが、早期に発見して、早く治療をおこなえば治る人も増えてきています。最近では、大人になってからではなく学校に通っている早い時期から「がん」について学ぶことで、自分や周りのひとの健康の大切さを見直そうといわれるようになっています。
「がん」について、いろいろな情報があるので調べてみましょう。
がんについての情報
東京都がんポータルサイト(https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/iryo/iryo_hoken/gan_portal/index.html)
- 『なごみ会』の開催
月1回、がん患者さん・ご家族のつどい『なごみ会』を開催しています。参加者が自由にお話しできる会と様々なテーマについての講義・内容にそった話合いの会があります。
- がん患者さんのためのお仕事相談会の開催
月1回、社会保険労務士と相談支援センター職員による、当院におかかりのがん患者さんを対象にした就労相談会を開催しています。詳しくは病院からのお知らせをご覧ください。
- 『 がん患者さんとご家族のためのウィッグ相談会 』 の開催
月1回、ウィッグの専門美容師を招いて、『 がん患者さんとご家族のためのウィッグ相談会 』を開催しています。この会では、医療用ウィッグ、治療中の頭皮ケア等の相談や様々なウィッグを実際に試着することも可能としています。詳しくは病院からのお知らせをご覧ください。
- がん診療に関する研修会・市民公開講座
がん医療に携わる医師等を対象に緩和ケア等に関する研修の実施や一般の方を対象に「がん」などをテーマとした講座を不定期に開催しています。
- 五反田図書館との連携活動開始
いつでも、どこでも、誰でもが、「がん」の情報をえられる地域づくりとして、五反田図書館にて「がん」にまつわるおすすめ書籍の展示やセミナー(講演会)を不定期に開催しています。
五反田図書館(https://library.city.shinagawa.tokyo.jp/tabid/153/Default.aspx)
- がん診療連携拠点病院委員会の設置
当院では、がん診療連携拠点病院委員会を設置し、診療機能や診療実績、地域連携に関する実績や活動状況の他、がん患者の療養生活の質について把握・評価し、課題認識を院内の関係者で共有した上で、組織的な改善策を講じています。これらの実地状況については、都道府県拠点病院を中心に都道府県内のがん診療連携拠点病院、特定領域拠点病院、地域がん診療病院において、情報共有と相互評価を行っています。
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院内がん登録について
院内がん登録とは、各病院で「がん」と診断または治療されたすべての患者さんについての必要な情報を集め、一定の決まりに従って専門の登録実務者が登録することです。そして、集めたデータについて分析・評価を行うことで、今後のがん治療に役立てていこうとするものです。標準書式にもとづいた、院内がん登録を行っています。
- 臨床研究・臨床試験・治験
がんに関する臨床研究・臨床試験・治験等を行っています。がん診療は日々進歩をとげており、それぞれ患者さんの診療に還元するためには、病気の特性を研究し、診断法・治療法の改善に努める必要があります。この診断法・治療法の改善の試みを「臨床試験」といいます。治療に関する臨床試験には、有効性、安全性を評価する第Ⅱ相試験と治療により生存期間を延長する可能性を評価する大規模な第Ⅲ相試験があります。
当院医療スタッフのがんに関する臨床研究一覧
当院における抗がん剤治験稼働一覧
- 医療施設
当院は、がん治療に関係した専門的治療室(集中治療室・無菌病室・放射線治療室・外来化学療法室)を有しています。また敷地内禁煙を行っています。
- カンファレンスの開催
がんの部位別に関連科医師が参加する、各種カンファレンスが開催されています。今後は随時、地域の医師に公開していく予定です。コロナウイルス感染症の影響のため開催を中止しておりましたが、再開検討を進めております。(2024年7月時点)