五反田膵癌連携プロジェクトのご案内
膵臓癌の早期診断・早期治療
日頃より当院周辺地域の医師会の先生方には多くの患者さんをご紹介いただき誠にありがとうございます。当院肝胆膵内科では胆膵疾患の内視鏡診断や治療を積極的に行っており、中でも膵がんの治療成績向上を最重要課題として挙げております。
当院ホームページの膵癌の項にあるように膵癌は非常に予後が悪いがんであり治療成績向上のためには早期診断・早期治療が重要になります。
そこで当院では新たに「五反田膵癌連携プロジェクト」を立ち上げました。これは全国各地で行われ始めておりますが、地域の先生方との病診連携を通して膵癌を疑うサインが発見された場合や、膵癌高リスクの方を対象に定期的なフォローアップ・必要なときの迅速な精密検査を行って早期に診断を行うものです。診断後は肝胆膵内科・外科・腫瘍内科で連携しながら治療を行っていきます。
プロジェクトの特徴は地域の先生方と連携して定期的な検査を行っていくことにあります。リスクに応じて当科で検査スケジュールを提案させていただき共同して経過観察を行うことで早期発見、治療成績向上に役立てていきたいと考えております。下記のような膵癌リスクを有する方がいらっしゃいましたら肝胆膵内科までご紹介いただければ幸いです。
担当責任者 肝胆膵内科 藤田祐司
肝胆膵内科 部長 寺谷卓馬
●膵臓がん発症リスクと考えられる項目
- 症状(膵癌患者における症状の割合)
原因のはっきりしない腹痛(78-82%)、背部痛(48%)、食欲不振
早期飽満感(62%)、黄疸(56-80%)、体重減少(66-84%) - 糖尿病(1年未満:5.38倍、1-4年:1.95倍、5-9年:1.49倍、10年以上:1.47倍)
特に診断早期の方、急な増悪傾向を認める方 - 血液検査異常
膵酵素異常:アミラーゼ、リパーゼ、エラスターゼ1
膵腫瘍マーカー異常(2cm以下の膵癌における陽性率):CA19-9(53.2%)、Dupan-2(37.2%)、Span-1(50.7%) 、CEA - 画像検査異常(膵癌罹患リスク)
膵のう胞(3倍)、膵石灰化 (13.3倍)、膵管拡張、膵腫瘍、胆管拡張 - 患者背景(膵癌罹患リスク)
膵臓がんの家族歴(4.5-32倍)、慢性膵炎(13.3倍)、肥満(BMI30以上で1.71倍)、飲酒(1.22倍)、喫煙/span>(1.68倍)
具体的には、上記に示すような膵臓がん発症のリスクファクターを有する患者さんを積極的にご紹介頂き、MRIおよびEUSでの精密検査を行っていきます。特に、早期膵臓がんの発見に必須であるEUS検査は、内視鏡医の技量によるところが大きいことがネックとされていますが、当科では年間500件以上の症例数を扱っており、私達が皆様のお役に立てる分野であると自負しております。治療の必要がある病変が発見された場合は引き続き、肝胆膵内科、外科、腫瘍科を中心とした集学的治療を行ってまいります。
●当院の胆膵疾患の診療状況について
肝胆膵内科:胆膵グループのページを参照ください。
●五反田膵癌プロジェクト 受診の流れ
月曜日と火曜日に胆膵グループの医師が外来を行っておりますので、紹介状持参でご来院ください。下記リンクから五反田膵癌プロジェクト用の紹介状をダウンロードすることができます。
- 五反田膵癌プロジェクト 診療情報提供書 (478KB)
緊急で受診が必要な場合は医療連携室にご連絡下さい。
電話:03-3448-6192