緩和ケア科

(1)概要

当科は、がん(悪性腫瘍)によって生じるさまざまな苦痛を和らげ、患者さんがご本人らしく生きていただくための治療やケアを専門としております。
がんによって生じる苦痛は、病気による痛みにとどまらず、吐き気、だるさ、薬による副作用、気持ちのつらさなど、多岐に渡ります。このような苦痛をできる限り軽減することは、患者さんのQuality of Life(生活の質)を維持するために、とても大切です。

抗がん剤・放射線・手術など、がん治療中の方については、外来や一般病棟で、緩和ケアチームが主科の方針に従い、がん治療が円滑に遂行できるようケアします。具体的には、抗がん剤や放射線の副作用への対策、手術を行う場合には術前・術後の痛みのコントロールなどを行います。

また、がんの診断時に20〜50%の方にみられるとされるがん疼痛については、抗がん剤の効果を待たずに、がん治療と並行可能な苦痛緩和治療を早期に開始し、食欲や睡眠を改善させ、充実した体力・気力が維持できるようケアを行います。

(2)ポリシー

チーム医療で患者さんの「Quality of Life」を支える

患者さんの生活の質(Quality of Life)を支えるためには、多職種連携によるチーム医療が必須です。当科では、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、リハビリスタッフ、歯科衛生士、臨床心理士といったさまざまな職種がチームを組み、患者さんの全人的ケアを行います。

(3)特徴

定期的にリラグゼーションを開催

がん患者さんがリラックス・気分転換できるようなリラグゼーションを定期的に実施しています。たとえば、音楽療法、アロマセラピー、リフレクソロジーなどがあり、家族ケアとして患者さんのご家族におすすめする場合もあります。
このようなリラグゼーションは、数多くの登録制ボランティアスタッフによる協力を得て開催されています。

緩和ケア病棟の設置

当院は緩和ケア病棟を設置しており、現状の医学では治癒が困難とされたがん患者さんの体や心のつらさを和らげる治療やケアを専門的に行います。
緩和ケア病棟では、苦痛をやわらげるための薬の調整や看護ケアのほか、幅広い診療科を備える総合病院の特長を活かして、放射線治療、神経ブロック、リハビリテーションなども取り入れています。痛みやだるさなどの不快な症状を取り除くだけでなく、精神的な苦痛を軽減し、さらに外出や退院の支援も行うことで、患者さんやご家族が可能な限り穏やかな時間を過ごせるよう努めています。

緩和ケア病棟

緩和ケアチーム

がんの治療中であっても、痛みなどのつらさを我慢したままでいると、生活がうまく運ばないことがあります。またがんの早期から、がんをたたく治療と、緩和治療を平行して行うことで、治療成績が向上し、延命に寄与したという報告もあります。緩和ケアは決して人生の最期に提供される医療ではなく、がんの初期から、治すための治療とともに行われるべきであるといわれているのです。緩和ケアチームは、緩和医療についての深い知識と一定の資格を持った看護師・医師、および薬剤師がチームを組んで、あらゆる種類のがんの苦痛を和らげるための支援を、外来や一般病棟で行います。主治医や病棟看護師と協力して、いま行っている治療が円滑に遂行できるようにさまざまな手段を提唱いたします。
当院入院中の方は主治医や担当看護師にお気軽にご相談ください。私たち専門技術チームが可能な限りすばやく、ベッドサイドに伺ったり、外来での診療をおこなわせていただきます。なおチームが行う支援は、すべて健康保険診療の範囲内で行われます。

出典:Early Palliative Care for Patients with Metastatic Non-Small-Cell Lung Cancer. Temel JS, Greer JA, Muzikansky A, Gallagher ER, Admane S, Jackson VA, Dahlin CM, Blinderman CD, Jacobsen J, Pirl WF, Billings JA, Lynch TJ. N Engl J Med 2010; 363:733-742.

栄養のケア・管理にも力を注ぐ

当科では、栄養士が緩和ケアチームに対して積極的に介入し、栄養のケア・管理を行います。がん治療中には、吐き気などによって食欲を失い、栄養状態の悪化や体力の低下を招くことがあります。そのような状況を回避するために、適切な栄養ケア・管理は重要です。
さらに、当院の緩和ケア病棟では、患者さんのご要望や体調にあった食事を提供する週1回の選択メニューや、旬の食材を使用した月1回の行事食などを取り入れ、「食べる喜び」を大切にしています。


(4)緩和ケア科を受診される方へ

当科ホームページ「緩和ケア病棟」をご確認のうえ、入院を希望される場合、初診外来を受診していただきます。事前に受診予約が必要です。

 

1)初診外来の電話予約

ご本人・ご家族から申し込みをお願いします。

予約受付:緩和ケア外来
Tel:03-3448-6172
受付時間:平日9:00~17:00

2)お持ちいただくもの

ご本人への質問票(ご本人またはご家族がご記入ください)
②現在受診(入院)している病院の医師からの紹介状(診療情報提供書)
主治医の先生への質問票(紹介状とは別に主治医に書いてもらってください)
④検査データ(血液検査・CD-ROM画像・放射線診断レポート)
⑤看護サマリー(現在他院で入院中の場合)
⑥健康保険証
⑦お薬手帳(現在お薬を処方されている方)

  • ①・③は、PDFよりダウンロードして下さい。
  • ※現在の主治医に②・③・④を依頼してください。
  • 現在入院中の方は⑤もお願い致します。

 

3)初診外来予約日 (所要時間:2時間程度)

  • ご家族同伴でご来院ください。
  • ご本人が来院されない場合は、意思を代弁できるご家族の代理受診も可能です。この場合は、保険診療の対象とならないため、全額自費負担となります。

【当日の流れ】

  1. 当日、書類持参し、初診窓口で、受付
  2. 緩和ケア外来にて書類確認
  3. 病棟見学
  4. 外来初診診療

※初診当日の緊急入院はお受けしていません

4)受診後の流れ

診察や情報をもとに、多職種による入棟審査会にて、入院待機登録可否の決定をします。
待機登録になられた場合、ご病状に合わせて入院タイミングを決定していきます。

患者さん・ご家族の方はご一読ください
「初診外来のご案内」
医療機関の方はご参照ください
「紹介元医療機関用説明書」

※当院でがんの診断治療を受けられている場合、緩和ケア病棟への入院のご希望がある方は、主治医にお申し出ください。
※ご質問・ご相談はがん相談支援センターでお受けしています

 

「メディカルノート」掲載インタビュー

疾患啓発記事:
がんに対する緩和ケアとは? QOL(生活の質)の維持を目的としてがんに伴うつらさを最小限に和らげる