NTT東日本 関東病院は、「つながる医療」を提供する病院です。
地域医療の拠点病院として地域と密につながります。
チーム医療実現のためスタッフ同士もつながります。
がんの早期発見、低侵襲治療、救急体制などの強みを活かして患者さんとつながり、
将来的には世界中の命をつなげることをめざしています。
常に進化を続けている、がんの治療。
当院は、「早期発見」「低侵襲治療」を2本柱に、がん治療における医療水準の向上を牽引しています。
また、治療後のリハビリ、社会復帰まで支援する体制で患者さんをサポートいたします。
低侵襲で腫瘍を取り除くさまざまな治療法を当院では採用しています。
〈一例〉
当院は、厚生労働省より2003年(平成15年)地域がん診療連携拠点病院に指定されました。
地域がん診療連携拠点病院指定の更新は4年毎に行なわれ、2023年(令和5年)4月1日に更新指定されました。指定期間は、2023年(令和5年)4月1日から2026年(令和9年)3月31日です。
がんの早期発見のためには、検査機器の性能が良いだけでは不十分です。どのような条件下でも正確に測定結果を出す技術や、超音波検査やCTスキャンなどの画像データや実際に患者さんから採取した組織標本にがんがあるのかどうかを正確に見極めることがとても重要になってきます。当院では病理診断科の医師をはじめとして、それぞれの領域の専門医が在籍しており、がんの早期発見に向けて日々努力しています。
当院では、早期消化器がん(食道、胃、十二指腸、大腸)に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っています。ESDは開腹せずに腫瘍を取り除くため、患者さんの負担や後遺症を少なくすることが期待でき、たくさんの患者さんがESDでの治療を希望されます。ESDの技術を学びに来る医師も増えており、2024年7月時点では17名の医師体制で2023年1月から12月の間に1042例のESDを実施しました。また、これまで内視鏡での治療は難しかった十二指腸がんでもESDに積極的に取り組んでおります。 当院では、いろいろ工夫を重ねながら、少しでもESDの施術時間を短くすることをチーム全体で意識するようにしています。それによって、その患者さんの負担が減るだけでなく、限られた時間で一人でも多くの患者さんの治療ができることにつながると考えています。
当院では2016年に手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入しました。主に前立腺がんの治療を行っており、2023年1月から12月の間に121例を実施しました。 ロボットを使った手術は、通常の手術よりも出血量や術後の疼痛の軽減が期待できるだけでなく、術後の後遺症(尿失禁や勃起不全等)のリスクを軽減させることも期待できます。 手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使った手術で、がんを治療するだけでなく、治療後も患者さんがこれまで通りの普通の生活ができることをめざします。
ガンマナイフ治療とは、脳内の腫瘍や血管奇形等に対して、開頭をせずに放射線(ガンマ線)をコンピュータ制御で集中的に照射する放射線治療の一種です。従来の開頭手術は患者さんへの身体的負担が大きく、さらに部位によっては手術が不可能な場合もありましたが、ガンマナイフによりそれらの問題を克服して治療することが可能となりました。がん患者の1割に発症すると言われている転移性脳腫瘍は、けいれん、まひ、記憶や感情の障害などが生じることから、患者さんの生活の質が大きく低下します。転移性脳腫瘍を治療することは、必ずしも「がん完治」につながらないという厳しい現実がありますが、患者さんの残された時間をどれだけ充実したものにするかという観点ではとても重要であると考えており、日々治療を行っています。
経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)は肝臓がんに対する治療法の一つです。開腹して腫瘍を切除するのではなく、腹部から電極を刺入し、ラジオ波という高周波の熱で凝固・壊死させる治療法です。当院では2006年からRFAを導入し、2023年1月から12月の間に229例実施しています。さらには、一般的にRFAでの治療が難しいと考えられる症例に対しても、その患者さんにはそれ以外の治療選択肢がないと判断されれば、ご本人の同意を得て実施し、予後改善に努めています。 また、患者さんのスピーディーな受入れができるよう、努力を惜しみません。
脳卒中や心筋梗塞などの急性疾患は、発症から治療を開始するまでの時間が短いほど、
救命率は上がり後遺症も少なくなると言われています。
当院では、これらの疾患の急性期治療のために医師が24時間対応する体制を整えています。
当院では、急性期の脳卒中治療に即応すべく、2005年に脳卒中センターを開設。
早急に治療する必要のある脳卒中患者さんをいつでもお引き受けできるように、
常に、空ベッドを準備する体制を維持しています。
また当院の脳卒中センターには、3つの特徴があります。
2017年4月より、脳血管内科を設置。脳血管内科では、脳梗塞の急性期に対するtPAの緊急静脈投与治療や重症脳梗塞に対するカテーテルを用いた脳塞栓摘出術などを脳神経外科と連携しながら24時間体制で行っています。
脳神経外科、脳血管内科、リハビリテーション科、放射線科の各医師に加えて、看護師、セラピスト、ソーシャルワーカーが一体となったチームを組んで、治療だけでなく、リハビリや早期社会復帰を見据えた包括的な対応ができる体制を備えています。
脳卒中は、発症して間もない急性期から、治療と並行してリハビリテーションを開始することが重要であり、それによってより早期に社会復帰が可能となります。当院では、脳梗塞治療を担当する医師とは別にリハビリテーション科の医師が常駐しており、理学療法士26名、作業療法士16名、言語療法士8名の体制で急性期からのリハビリに積極的に取り組んでいます(体制は2024年7月現在)。
脳血管内科と脳神経外科が連携することで、
それぞれの患者さんの病状に最適と思われる治療法を選択することが可能です。
心筋梗塞の急性期の治療は、循環器内科が行うカテーテルを使ったステント留置術や、心臓血管外科が行う血管バイパス手術などがあります。当院では、循環器内科と心臓血管外科の緻密な連携により、それぞれ患者さんの病状にあった最適と思われる治療法を選択し提供しています。また、急性期の治療のあとの心臓リハビリにも力を入れており、心臓リハビリを行うリハビリテーション科の医師やセラピストが患者さんの早期の社会復帰に向けて対応にあたっています。
循環器内科では主治医が1名で患者さんの治療を担当することが多いですが、当院の循環器内科では、14名の医師が3チームに分かれて複数の医師が同じ患者さんを担当します。そして、すべての患者さんに質の高い治療を提供し、医療事故の発生リスクを最低限に抑えることをめざしています。そして、毎日カンファレンスを開催することで、全ての医師が自分の担当でない患者さんまで含めて詳細な病状を把握でき、万が一院内で患者さんが急変した場合でも、速やかに適切な対応が取れる体制を維持しています。また、日本心血管インターベンション治療学会の指導医2名、認定医5名を擁し、全カテーテル治療を専門医が行う体制があり、それにより安全で精度の高いカテーテル治療を行っています。(2024年7月現在)
当院では、OCT(近赤外線を用いた新しい血管画像診断システム)を導入しており、従来のIVUS(超音波を用いた血管画像診断システム)より詳細に血管の病変部を観察することが可能となりました。それにより、心筋梗塞の急性期治療の質の向上が図られると同時に、治療後においても精度の高い状態把握が可能となりました。
心筋梗塞は放置すると死に至る可能性のある重篤な疾患ですが、医療機関で早期に治療を開始することで死亡率を大幅に低減させることが期待できます。当院では、心筋梗塞の治療に対応できる専門病床(CCU)を有し、近隣エリアの医療機関とCCUネットワークで連携することで、心筋梗塞を発症した患者さんをスムーズに受け入れ、できるだけ早期に、治療開始することをめざしています。(2024年7月現在)
脳卒中の急性期の治療は、内科的な治療を最初に実施することが多くなってきましたが、その治療だけで不十分な場合は、外科的な治療に切り替えることも考慮することが必要です。したがって、脳卒中の治療体制では、脳血管内科と脳神経外科の緻密な連携がとても重要となってきます。当院では脳神経外科医が待機していつでも患者さんの手術に対応できるよう体制をととのえています。また、脳卒中の急性期対応だけでなく、脳卒中を予防する治療にも力を入れており、未破裂脳動脈瘤に対して顕微鏡を使って行う『開頭脳動脈瘤クリッピング術』を積極的に実施しています。脳神経外科は、脳腫瘍なども含めた手術を2023年1月から12月までの間に441件実施しており、これまでの経験をすべての患者さんのために活かすことを常に意識して日々診療にあたっています。
狭心症や心筋梗塞、不整脈、心臓弁膜症、心不全等の循環器疾患での救急対応を行っています。心筋梗塞などの虚血性心疾患は特に緊急の対応が求められることが多い疾患です。当院では、24時間救急診療体制をとっており、夜間、休日も含め、緊急カテーテル治療はいつでも可能であり、心臓血管外科との連携で迅速に緊急手術を行える体制も整えています。全ての患者さんの状態について毎日スタッフ全員で共有しており、万が一主治医が不在の時に不測の事態が起きても素早く対応できるようにしています。さらに、患者さんが退院後のケアまでより円滑に行えるよう、かかりつけ医とネットワークを結ぶなど、地域全体の医療の向上にも取り組んでいます。
地域医療において当院の重要な役割は、急性期医療を担うことですが、当院だけで医療を完結させることはできません。
地域のかかりつけ医の先生方と連携することで、手術や入院、精密検査を必要とする患者さんの紹介受け入れや、
治療後にかかりつけ医への患者さんのお戻しを円滑に進められるよう心掛けております。
また、今後増加が予想される在宅(訪問)診療、看護や介護との連携も強化して参ります。
2015年からスタートした「連携登録医制度」では、約1700施設を超える医療機関と連携し、
当院の診療に関する情報を共有しています。(2024年7月現在)
また、クリニカルセミナーや学術講演の開催などにかかりつけ医の先生方を招き、
協力して地域全体で医療の質を高めることにも貢献できればと考えています。
当院はもともと電電公社の職員向けの病院として設置され、現在も、NTT東日本が運営しています。一貫して営利よりも地域医療に貢献することを優先とした病院運営を行っております。
当院は区境に位置しており、品川区だけでなく目黒区、渋谷区、港区などが密接しています。そのため東京都に83施設※ある災害拠点病院の一つとして、地震などの広範囲災害時において主に重症患者の収容・治療を行う任務も負っています。
2016年より全国で約69施設しか認定を受けていない※外国人受け入れ拠点病院に選定されました。近隣地域に在住・勤務している外国人の方でもスムーズに治療を受けられるよう、医療通訳・医療コーディネーターを配置しています。
(2024年4月現在)
当院では「医療連携協力機関登録制度」を開始。国の医療政策である「医療の機能分担と連携」に沿い、
かかりつけ医をはじめとする各医療機関の先生方と密接に連携して、
役割に応じた質の高い安全な医療をご提供したいと考えています。
この医療機関間の分担を機能させるため、初診の時には必ず紹介状のご持参をお願いいたします。
紹介状(診療情報提供書)、高額医療機器の画像検査(共同利用)は以下のフォーマットをご利用ください。
詳しくは医療関係者の皆様へ、画像検査(共同利用)をご覧ください。
TEL(03)3448-6111(代表)
〒141-8625 東京都品川区東五反田5-9-22