- ホーム
- 診療科・部門の紹介
- リハビリテーション医療部
- リハビリテーション医療部:言語聴覚士(ST)
言語聴覚士(ST)
言語聴覚部門について
脳血管疾患、廃用症候群など診療科毎にチームで対応しており、所属するチームは1~数年単位で交代しています。入院当日や術直後など超急性期から早期介入しています。一方で、緩和ケア病棟など終末期の患者さんにも関わっており、臨床の場は幅広いです。
中でも脳梗塞など脳損傷後の患者さんを担当する機会は多く、術前後に各種高次脳機能評価を行うなど安心して生活が送れるよう、あるいは最良の状態で回復期や生活期リハビリに移行できるよう心がけています。がんの中でも頭頚部がんや食道がんに関しては多職種からなるワーキンググループで取り組んでいます。
また院内外の勉強会や研修会の企画・参加および学会発表を推奨しています。
職場の様子
若手からベテランまで幅広い世代で構成されており、知識・技術面だけでなく、プライベートなことでも相談がしやすい環境が整っています。経験年数1~5年目の若年層、中堅層以外にも、当院のような急性期病院だけでなく回復期病院など様々な場所での臨床経験を経て、豊富な知識を持つ15年目以上の言語聴覚士も多く在籍しています。また、教育部による新人育成プログラムにより、系統的に様々なことを経験できます。
スタッフインタビュー
仕事について
言語聴覚士(ST)は、病気・怪我・加齢によりコミュニケーションや認知機能、摂食嚥下機能(食べることや飲むこと)(※)に障害を呈した方に対し、機能の維持・改善を図るため評価や訓練・助言を行っています。機能の改善を目指す治療や機能を補う訓練を行うことで、患者さんが希望のある生活を取り戻せるよう支援をしています。
※「話す・聞く・読む・書く」に障害が生じる『失語症』
認知・注意・遂行機能低下などが生じる『高次脳機能障害』
顔面や舌の麻痺・口腔癌術後などによる『構音障害・音声障害』
食事摂取過程において、安全な経口摂取が困難になる『摂食・嚥下障害』
言語聴覚士を目指したきっかけ
私は祖父が構音障害となり、リハビリを受けているところを見たことで言語聴覚士(ST)という職業を知りました。構音障害とは、脳卒中などにより呂律が回りづらくなるなどの症状がでる障害のことですが、この構音障害になると、コミュニケーションを取ることが難しくなります。
祖父がリハビリで徐々に改善していく姿を見ているうちに、私も祖父のようにコミュニケーションで困っている方々の手助けをしたいという気持ちが芽生え、言語聴覚士(ST)を目指しました。
仕事をする上でのやりがい
患者さんから感謝の言葉をいただいた時です。「ありがとう」の言葉はやりがいと共に、仕事をする上での糧となっています。
また、今までできなかったことを実用できた時にもやりがいを感じます。分からないことが多く、教科書を読んだり、先輩に教えていただく日々が続いていますが、分からなかったはずのことが日々のリハビリで実践できていると気づいた時には、STになってよかったと感じます。
対象疾患
- 失語症
- 高次脳機能障害
- 認知機能障害
- 内部機能障害(心臓、腎臓など)
- 呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患、肺炎など)
- 構音障害/Dysarthria
- 摂食嚥下障害
詳しく知りたい方はこちら
研修制度・研修の特徴
学会加入費に関しては2団体まで公費負担してもらうことができ、年に1回、公費での学会や研修会への参加が認められています。加入学会については人により様々ですが、言語聴覚学会の他、高次脳機能学会や摂食嚥下学会に加入している人が多いです。
リハビリテーション医療部内での勉強会としては、上記公費で参加した学会や研修会の伝達講習の他、院内や部内で開催される各種勉強会や言語聴覚士(ST)内での勉強会など多数あります。
また、日常的に行われる多職種でのカンファレンスも有益な学びの場となっています。
※言語聴覚士教育プログラム
入職を検討されている方へのメッセージ
当院は急性期の総合病院で各種拠点病院にも指定されており、様々な研修会の会場に指定されることも多くあります。リハビリ部門は各診療科との連携が密に行われているため、カンファレンスや勉強会への参加も頻繁です。学ぶ意欲さえあれば多くのことを学ぶことができる恵まれた環境にあります。
日々の臨床においても、たとえば摂食嚥下障害では脳血管疾患はもとより、内部疾患・整形疾患・緩和ケアを含むがん疾患とほぼ全診療科にまたがる障害ですが、その背景疾患により病態の特徴や配慮すべき点は異なります。当チームは1〜数年単位でのローテーションで各診療科を担当することにしていますので、各疾患による差などについては経験を重ねて得られるものも多くあります。
また、品川失語症友の会の定例会開催にも携わっており、希望すれば急性期のみならず生活期の様子に触れることも可能です。