形成外科
(1)概要
形成外科は、身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは整容的な不満足に対して、あらゆる手法や特殊な技術を駆使し、機能のみならず形態的にもより正常に、より美しくすることによって、患者さんの生活の質”Quality of Life”の向上に貢献する、外科系の専門領域です。
(2)ポリシー
- 高度な技術をもって生活の質を改善し、社会復帰を
形成外科疾患全般に対して質の高い治療を提供することを目標としています。失われた形や機能を回復させることで、より充実した社会生活を送れるように、そして再び自分らしさを取り戻せるようにサポートしていきたいと考えています。
(3)特徴
- カスタマイズされた乳房再建
乳房再建の方法は多岐にわたり、年々幅が広がってきております。総合病院である利点を活かし、ブレストセンター内で乳腺外科と連携して、自家組織、人工物による再建や、脂肪注入などの自費診療も含めた多岐にわたる手術方法から、患者さん一人一人のご希望をお伺いして治療を行っております。当院はオンコプラスティックサージャリー学会実施施設(エキスパンダー:一次再建/二次再建、インプラント:一次一期再建/一次二期再建・二次再建)に認定されています。 - 唇裂鼻・斜鼻・鞍鼻に対する外鼻形成(詳細はこちら)
<木曜午前 鄭外来>
当科では、口唇口蓋裂をはじめとする先天性疾患に伴う鼻の変形や、機能障害を伴う斜鼻(鼻が曲がっている状態)・鞍鼻(鼻が低くへこんでいる状態)に対して、外鼻形成術を積極的に行っています。これらの疾患では、見た目の問題に加えて呼吸のしづらさといった機能的な問題を伴うことが多いため、耳鼻咽喉科・頭頸部外科と連携し、形態と機能の両面から改善を図っています。 - 眼瞼下垂症治療を中心とした機能的眼瞼形成
<木曜午前 鄭外来>
当科では、眼瞼下垂症、逆さまつげ(睫毛内反症)、瞼板内反・外反症など、まぶたに関わるさまざまな外科治療を積極的に行っています。まぶたが下がって見えにくい、まつげが眼に当たってゴロゴロするなどの症状を改善するとともに、整容面でも自然さやその方らしさを大切にした仕上がりを目指しています。 - 他科との多様な連携
当院は地域がん診療連携拠点病院であり、形成外科は皮弁、マイクロサージャリー、創傷外科の技術をもって様々な外科系診療科の手術に参加して、皮膚欠損や組織の変形に対する再建を行います。がんの根治を目指すのみならず機能および整容的にもより正常に近く美しく再建することで、術後の精神的な苦痛を少しでも和らげるよう心がけております。皮膚がんについても皮膚科と密に連携をとりながら治療してきた実績があり、がんの診断から手術、再建まで専門性の高い治療を受けることができます。
他にも当院では下記の疾患を扱います。
- 顔や手足などの瘢痕、瘢痕拘縮、肥厚性瘢痕
- 皮膚や軟部組織の腫瘍 (血管腫、血管奇形は扱っておりません)
- 皮膚や軟部組織の腫瘍、がんの切除・再建
- 陥没乳頭
- 腋臭症手術
- 陥入爪手術 など
形成外科を受診される方へ
- 受診されるみなさまをできる限りお待たせせず適切な治療を提供するために、診察は予約制としております。
- 現在ほかの病院や診療所にかかっている場合には、これまでの経過をお知らせいただく「診療情報提供書(紹介状)」とお薬手帳をご持参ください。治療経過を正確に知ることができ、不必要な検査や通院を減らすことができます。
- 施設や医療者の意識向上のため、お気づきの点はお気軽にご指摘頂けると幸いでございます。また、ご不明な点は外来にてお尋ねください。
部長 伊藤 奈央








