乳腺外科

(1)概要

2019年4月より乳腺外科を設立いたしました。
乳腺疾患全ての診断、手術、治療を目的としています。
2021年4月からは、ブレストセンターとして施設を改修し運営を開始いたしました。

  • 診断
    マンモグラフィ(MMG)や超音波検査(エコー)、乳房MRI、を使用して乳腺疾患を診断いたします。
    さらに必要であれば、乳腺(腫瘤)穿刺を行い、病理組織で確定診断に至ります。乳腺穿刺は、超音波やMMGなどを用いて行う方法です。さらに、2021年5月からは、マンモグラフィ下のステレオガイド下生検も可能になりました。
    その確定診断をもって治療の選択を行います。
  • 手術
    良性疾患(線維腺腫、葉状腫瘍、乳頭腫、乳腺症、など)や悪性疾患(乳がん)で、手術が必要と判断された場合、疾患に合わせた手術方法を選択いたします。手術方法は、腫瘤切除、乳房部分切除(乳房温存術)、乳房切除(全摘術)、乳頭乳輪温存乳房切除、乳がん手術後の再建手術などです。
    さらに、センチネルリンパ節生検もRI(放射性同位元素を使用)やICG(インドシアニングリーン)を使用した蛍光法を利用して手術中に行います。
    乳房切除後の再建手術で人工物(エキスパンダー)の挿入が必要な場合には、形成外科医師と合同で同時に手術を行います。
  • 治療
    手術前、手術後のホルモン療法、手術前、手術後の化学療法、放射線治療、そして乳がん転移、再発時の治療などを放射線治療科、腫瘍内科と相談しながら行います。

(2)ポリシー

  • 保険適応内で最新の医療の提供を目指して
    乳がんの治療は日々進歩しており、5年前、10年前の常識が、現在では非常識になることも稀ではありません。常に最新の情報や治療を取り入れ、患者さんにより良い治療を受けていただくことを目標にしております。
  • 女性、男性に関わらず乳腺疾患を対象にします。
    専門的な乳腺外来を目指して取り組みます。乳腺疾患は男女問わず起こる疾患です。特に乳がんは女性に多く発症いたしますが、男性でも発症いたします。乳がんリスクの5~10%程度は遺伝子異常が原因であり、遺伝カウンセリングや遺伝子検査も、男性女性に関わらず、より良い環境で受けていただけるように体制作りを行います。
  • 乳腺の専門医を擁しています。
    日本外科学会認定医、専門医、日本乳癌学会認定医、専門医を擁し、乳腺疾患に対して、高度な技術を持って患者さん方に専門性の高い診療を提供することを目標にしています。
  • 患者さんの不安な期間の短縮を目指して
    乳がんと診断されてから治療や手術を開始するまで、合併症が無い患者さんには30日以内を目標に診療計画を立てます。

(3)特徴

  • 手術、治療は充分なカンファレンスを行い治療方針を決定いたします。さらに乳がんの治療は科の枠を超えてキャンサーボードを定期的に行い、最良の治療の提供を目指します。
  • 乳腺外科、放射線科、腫瘍内科、看護師、放射線技師、遺伝カウンセラー、整形外科、理学療法士などでチームを作り、患者さんに寄り添ったチーム医療を提供いたします。

受診される方へのメッセージ

  • 乳腺外科は、2019年4月に設立された乳腺専門の部署です。
    最高の医療の提供を目指して、施設、器材、人員など随時更新予定です。施設や医療者の意識向上のため、至らぬ点はお気軽にご指摘頂けると幸いです。また、ご不明な点は外来にお尋ねください。
  • 今後の乳がん治療向上のため、診療と同時に様々な研究も行います。各研究は、その都度説明の上、同意や承諾をお願いする事がございます。

部長 沢田 晃暢

 

「メディカルノート」掲載インタビュー

疾患啓発記事:
乳がんとはどのような病気? 概要と検査、治療方針について