集中治療科

(1)概要

集中治療科(集中治療部)は、体への負担が大きな手術を受けた後の方、救急外来に搬送されてこられた重症の方、病気の種類を問わず重篤な状態にある方の治療や管理を行っています。

入室パターンは、あらかじめ決定していた予定入室や必要に応じて入室する緊急入室など、さまざまです。たとえば、脳神経外科や心臓血管外科、消化器外科領域の病気に対する手術を行った後などに、綿密な管理による順調な回復を目的として、当科を利用していただくこともあります。
また、脳卒中により入室される患者さんの割合も一定数を占めているため、SCU(stroke care unit・脳卒中専門治療部門)の機能を設けています。SCUでは、脳卒中発症早期から効率的でスムーズな治療・管理・リハビリテーションを実施し、早期の日常生活復帰を目指しています。

(2)ポリシー

集中治療科は、「皆さまが、安心して治療を受けられ、早期に元の生活に戻れるように援助する」ことをモットーとしています。
また、免疫機能が不安定な状態にある方々に対応するため、院内感染の防止には特に注意を払っています。

(3)特徴

脳卒中を集中的に診るSCU

集中治療科は、脳卒中を発症して救急搬送されてこられた方々をスムーズに受け入れ、早期治療・早期リハビリテーションを行うSCU(脳卒中専門治療部門)の機能も果たしています。
脳卒中では発症後すぐの治療とリハビリテーションが、その後の機能維持や日常生活への復帰に影響を与えると考えられています。そのため、SCUなどの組織化された脳卒中専門治療の場で、集中的かつ多面的なリハビリテーションを行うことが推奨されています。

院内感染を防止する体制の徹底

集中治療科には、身体的な負担が大きい手術を受けた後の方や高齢の方、免疫抑制剤の投与を受けている方など、感染を起こしやすい因子を持った方々が来られます。そのため、当科では院内感染の防止にとりわけ注意を払っており、医療従事者の手洗いの徹底や、感染症の状況を監視・調査集計すること(感染症サーベイランス)による感染率の把握などに努めています。

看護やリハビリの強化で順調な回復を目指す

入室された方が、合併症を起こすことなく順調に回復していくためには、体を動かしていない期間に起こりやすい深部静脈血栓症の予防や、呼吸機能障害に対する呼吸理学療法も重要です。
当科では、医師、看護師、臨床工学士が緊密に連携し、新たな医療機器の導入なども行うことで、濃厚な集中的治療、看護の改善、早期リハビリテーションを実践しています。

部長 小松 孝美