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胆管炎

胆管炎とは

胆管炎は胆管が腫瘍や結石などによって閉塞することにより、貯留した胆汁が感染し胆管が炎症を起こす病気です。胆嚢炎と同じく、閉鎖した空間に細菌が増殖しやすいので重症化しやすく一晩の経過でも致死的になってしまう病気です。

胆管炎の症状

発熱、黄疸、右季肋部痛のCharcotの3徴と呼ばれる症状が有名です。しかし、症状が揃わないこともしばしばあります。重症になるとショックや意識障害を伴うことがありこの状態はRaynoldsの5徴と呼ばれます。

胆管炎の原因

その原因は何らかの胆道閉塞に伴う細菌感染です。総胆管内の結石と悪性腫瘍がその大部分を占めます。

胆管炎の治療

基本的には上述の通り、物理的な閉塞が胆管炎を引き起こしているケースが多いため、閉塞の解除や原因の除去が治療の第一目標となります。抗生剤が届きにくい場所であるため内視鏡による治療(ERCP)が必須です。
当院では、急性胆管炎に対しまず緊急でERCPを行って閉塞部位にプラスチックステントというプラスチックの管を留置し胆汁の排泄経路を作る処置を行います(ERBD)その後、炎症が落ち着いた時点で待機的に閉塞起点となる結石の除去や悪性腫瘍に対する治療を行う方針としております。内視鏡治療が2回必要になりますが、胆管が炎症している状態で無理して結石を除去すると炎症が悪化してしまう事が多く、時として命に関わることになるため2回に分けた治療を行っております。

ERBD(内視鏡的逆行性胆道ドレナージ):

閉塞部位をまたがるようにプラスチックまたは金属のステントを留置し感染した胆汁を排液します。

  • 結石の場合
    原因が総胆管結石の場合、プラスチックステントで感染胆汁をドレナージしたのちにESTやEP(L)BDといった方法で(胆石の項目を参照)採石します。

結石の場合の対処方法の写真

  • 悪性腫瘍の場合
    閉塞の原因が悪性腫瘍の場合、同様に感染胆汁を排液したのちに、悪性腫瘍に対する治療を計画します(手術や抗がん剤)。悪性腫瘍で胆管が閉塞している場合には金属のステントを留置することもあります。

悪性腫瘍の場合の対処方法の写真

特殊なケースでの胆管炎の治療

胆管炎の治療が非常に難しいケースが2種類あります。それは胃の手術後で胆管の出口(十二指腸乳頭)に通常の内視鏡で到達出来ない場合と、悪性腫瘍の影響で十二指腸が狭くなっていて内視鏡がそこを突破できないためERCPが出来ない場合です。
上記の場合、みぞおちあたりから針を刺してチューブを体外に留置するPTCDという処置が一般的です。しかし患者様の負担を軽減するため下記の様に当院では内視鏡を用いた治療を行っております。

  • 胃の術後の場合:ダブルバルーン内視鏡という特殊な内視鏡を用いる事でERCPを可能にしています。2025年は30件ダブルバルーン内視鏡によるERCPを施行し全例で成功しています。

胃の術後の場合の対処方法の写真

  • 悪性腫瘍で通常のERCPが出来ない場合:超音波内視鏡を用いた最先端のドレナージ術を行っております。2025年は37件行いこちらも全例で成功し良好な成績を収めています。

悪性腫瘍で通常のERCPが出来ない場合の対処方法の写真

当院での胆管炎の治療成績

2025年は当院で100人以上の胆管炎の方を治療致しました。胆管炎は緊急を要する病気であり、ほとんどの方は夜間休日に関係なく当日または翌日にERCPを施行しました。ERCPを2025年は616件施行しましたがそのうち108件は当日緊急で治療した方であり緊急で治療をする体制も整っております。当院胆膵グループでは速やかな治療を心がけております。