歯科口腔外科

(1)概要

NTT東日本関東病院歯科口腔外科では、口の中の粘膜や顎にできた腫瘍・嚢胞、歯が原因で起こる感染症である歯性感染症、外傷の診療を行っています。また、親知らず(埋伏智歯)など、一般歯科診療所では難しい抜歯も行っています。
特に口腔内にできた口腔がんや良性腫瘍などの腫瘍、難治性の顎骨骨髄炎、顎下腺唾石症の治療に力を入れており、治療成績の向上に努めています。
口腔がん治療では、切除手術だけでなく、必要に応じて再建手術、放射線治療や薬物療法を組み合わせて、がんの根治と共に機能改善による社会復帰を目標にしています。

  • ※2017年1月1日から2023年12月31日までに、トータルで139例の口腔がん症例の診療を行っています。

(2)ポリシー

口からのどに至るまでの口腔は、噛む、飲み込む、喋るといった、社会生活を送るうえで欠かせない機能を担っています。そのため、当科では患者さんの生活の質(QOL)を第一に考えたうえで治療方針を決めていくことをポリシーとしています。

(3)特徴

他科や他職種との連携

当科は、さまざまな診療科の医師や他職種と連携しながら治療にあたっています。歯科外来では歯科衛生士、看護師、歯科技工士が協力して診療を行います。
口腔がん治療は、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、放射線科、腫瘍内科、リハビリテーション科、外科などと定期的なカンファレンスを行い連携しています。

抜歯の痛みと不安を軽減する工夫

当科では、骨や歯肉に埋まった抜歯困難な親知らず(埋伏智歯)を抜く際に、痛みや負担を軽減する工夫を行っています。歯が深く埋伏していて抜くことが難しい場合や不安感が強い患者さんに対しては、入院管理下に静脈内鎮静法、全身麻酔を使用することもあります。

難治性顎骨骨髄炎(骨吸収抑制薬関連顎骨壊死、慢性硬化性顎骨骨髄炎)の治療

当科では、近年増加している骨吸収抑制薬(ビスフォスフォネート製剤、デノスマブ)による顎骨壊死(顎骨骨髄炎)の予防と治療に取り組んでいます。
また、難治性の慢性硬化性骨髄炎に対して臨床研究治療を行っています。


受診される方へのメッセージ

当科を受診される際には、かかりつけ歯科からの紹介状をご持参ください。当科での治療が終わりましたら、引き続きかかりつけ歯科へ口腔管理を依頼します。当科は虫歯や義歯などの一般歯科治療は基本的に行っていませんので受診の際にはご注意ください。

部長 山城 正司