循環器内科

診療実績

外来診療

  • 月―金の毎日、初診、再診外来を複数名の循環器科医で担当します。
  • その他、特殊外来としてペースメーカー(及びICD)外来を毎週木曜日に設けています。
  • 心電図検査、心エコー、心臓シンチグラフィー、心臓MRI、320列冠動脈CT、FFR-ctなどを用いて迅速かつ正確な診断を心がけています。

入院診療

当科の入院ベッド(CCUを含む)は、心臓血管外科と同じフロアーにあり、両科の連携に役立っています。当科では入院期間の短縮を目指しており、心臓カテーテル検査および治療入院は日曜祭日入院も可としています。またクリテイカルパスを積極的に導入することにより、入院期間の短縮と医療の質の向上に努めています。

表1 当科の入院患者数の年次推移

【入院疾患の内訳】

狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患が60%と最も多く、他には心不全、不整脈がこれに続きます。

【急性心筋梗塞】

年間の入院数は50-80名前後(表2)で、そのほとんどの例で緊急カテーテル治療(Primary PCI)が行われています。当科では24時間・365日、専門医による緊急カテーテル検査・治療ができるような体制を整えています。

表2 急性心筋梗塞入院数の年次推移

【経皮的冠動脈形成術】

狭心症、心筋梗塞に対する経皮的冠動脈形成術(PCI)の件数は表3に示すように年300件前後で推移しています。PCIの多数例で薬剤溶出性ステントを用い、全症例の約8割で血管内超音波(IVUS)、光干渉断層法(OCT)、血流予備量比(FFR)などを併用しながら優れた臨床成績を上げています。2018年から血栓性病変などに対して冠動脈病変に対するレーザー治療を導入しています。高度石灰化病変に対するロータブレーターやダイアモンドバック治療を実施している施設でもあります。

【経皮的末梢血管形成術】

また末梢血管病変(主に下肢の動脈硬化病変)に対する血管形成術(EVT)も近年増加傾向です。(表3)2015年にはクロッサーが導入され、透析患者さんに多い石灰化病変や膝下病変にも積極的に取り組んでいます。また当科は血管内バイパス治療を可能にしたバイアバンステントグラフトの実施施設に登録されています。

【カテーテルアブレーション】

当科では不整脈に対するカテーテル治療(カテーテルアブレーション)を1998年より開始し、発作性上室性頻拍、WPW症候群、心房粗動・心房細動、心室頻拍などの各種不整脈の根治治療の実績を積み重ねています。(表3)アブレーション治療は経験豊富な不整脈専門医によって行われており、2017年からは冷凍バルーン(クライオバルーン)を導入しています。

【ペースメーカー】

脈が著しく遅い場合や、心停止を繰り返す不整脈(房室ブロック、洞不全症候群)ではペースメーカー植え込みが必要となります。当科では毎年60-70件前後のペースメーカー植え込みを行っています(表3)。

【植え込み型除細動器(ICD)】

致死的不整脈(心室細動、心室頻拍)による突然死を阻止する植え込み型除細動器の植え込みは、例年10件前後行われています(表3)。

【心室再同期療法(CRT-D)】

様々な原因で心臓のポンプ機能が低下すると、心不全と呼ばれる状態に陥ります。心不全は通常は薬物で治療しますが、中には通常の治療に抵抗性で難渋する例があります。このような場合、ペースメーカーによる特殊なペーシング法(両心室同時ペーシング)で心機能の改善が得られる場合があります。この治療を心室再同期療法(CRT)と呼び、当科では2000年からこの療法を開始しています。近年はCRTに加えて除細動機能も付加されたCRT-Dも導入されております(表3)。

表3 心臓カテーテル検査、各種治療件数(患者単位)の年次推移

当院は厚生労働省が定めた下記の循環器領域治療に関する施設基準を全て満たしています。
(1)経皮的冠動脈形成術(Rotablatorを含む)、(2) 冠動脈バイパス手術、(3) カテーテルアブレーション、(4) 恒久的ペースメーカー植え込み術、(5) 植え込み型除細動器植え込み術