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外科 後期研修プログラム

NTT東日本関東病院外科専門医研修プログラムの概要

1. NTT東日本関東病院外科専門医研修プログラムについて

NTT東日本関東病院外科専門医研修プログラムの目的と使命は以下の4点です。

  1. 専攻医が医師として必要な基本的診療能力を習得すること
  2. 専攻医が外科領域の専門的診療能力を習得すること
  3. 上記に関する知識・技能・態度と高い倫理性を備えることにより、患者に信頼され、標準的な医療を提供でき、プロフェッショナルとしての誇りを持ち、患者への責任を果たせる外科専門医となること
  4. 外科専門医の育成を通して国民の健康・福祉に貢献すること

なお、外科専門医はサブスペシャリティ(消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科、乳腺、内分泌外科)またはそれに準じた外科関連領域の専門医を取得する際に必要な基盤となる共通の資格です。

2. 研修プログラムの施設群

NTT東日本関東病院と連携施設(5施設)により専門研修施設群を構成します。
本専門研修施設群では17名の専門研修指導医が専攻医を指導します。

専門研修基幹施設

名称    :NTT東日本関東病院
都道府県  :東京都
担当領域  :1:消化器外科、2:心臓血管外科、3:呼吸器外科、4:小児外科、 5:乳腺内分泌外科、6:その他(救急含む)
統括責任者名:野家 環

専門研修連携施設

  1. 名称  :日本赤十字社医療センター
    都道府県:東京都
    担当領域:1、2、3、4、5、6
    担当者名:永岡栄
  2. 名称  :順天堂大学医学部附属順天堂医院
    都道府県:東京都
    担当領域:1、2、3、4、5、6
    担当者名:小島豊
  3. 名称  :藤沢市民病院
    都道府県:神奈川県
    担当領域:1、5、6
    担当者名:山岸茂
  4. 名称  :東肛門科胃腸科クリニック
    都道府県:東京都
    担当領域:1
    担当者名:東光邦
  5. 名称  :秀和総合病院
    都道府県:埼玉県
    担当領域:1、5、6
    担当者名:中村典明

3. 専攻医の受け入れ数について

本専門研修施設群の3年間NCD登録数は6,033例で、専門研修指導医は17名のため、総数12名の専攻医を受け入れることが可能です。2018年度の専攻医数は2名、2019年度の専攻医数は1名、2020年度の専攻医数は1名でした。2021年度の募集専攻医数は3名とします。

4. 外科専門研修について

1)外科専門医は初期臨床研修修了後、3年(以上)の専門研修で育成されます。

  • 3年間の専門研修期間中、基幹施設で2年6か月および連携施設で6カ月の研修を行います。
  • 専門研修の3年間の1年目、2年目、3年目には、それぞれ医師に求められる基本的診療能力・態度と外科専門研修プログラム整備基準にもとづいた外科専門医に求められる知識・技術の習得目標を設定し、その年度の終わりに達成度を評価して、基本から応用へ、さらに専門医としての実力をつけていくように配慮します。具体的な評価方法は後の項目で示します。
  • 研修プログラムの修了判定には規定の経験症例数が必要です。
  • 初期臨床研修期間中に外科専門研修基幹施設ないし連携施設で経験した症例(NCDに登録されていることが必須)は、研修プログラム統括責任者が承認した症例に限定して、手術症例数に加算することができます。(外科専門研修プログラム整備基準2.3.3 参照)

2)年次毎の専門研修計画

  • 専攻医の研修は、毎年の達成目標と達成度を評価しながら進められます。以下に年次毎の研修内容・習得目標の目安を示します。なお、習得すべき専門知識や技能は専攻医研修マニュアルを参照してください。
  • 専門研修1年目では、基本的診療能力および外科基本的知識と技能の習得を目標とします。専攻医は定期的に開催されるカンファレンスや症例検討会、抄読会、院内主催のセミナーへの参加、e-learningや書籍や論文などの通読、日本外科学会が用意しているビデオライブラリーなどを通して、自らも専門知識・技能の習得を図ります。
  • 専門研修2年目では、基本的診療能力の向上に加えて、外科基本的知識・技能を実際の診断・治療へ応用する力量を養うことを目標とします。専攻医はさらに学会・研究会への参加などを通して専門知識・技能の習得を図ります。
  • 専門研修3年目では、チーム医療において責任を持って診療にあたり、後進の指導にも参画し、リーダーシップを発揮して、外科の実践的知識・技能の習得により様々な外科疾患へ対応する力量を養うことを目標とします。

(具体例)
下記にNTT東日本関東病院外科専門医研修プログラムの1例を示します。
専門研修1・2年目は基幹施設と連携施設、専門研修3年目は基幹施設での研修となります。
NTT東日本関東病院外科専門医研修プログラムでの3年間の施設群ローテートにおける研修内容と予想される経験症例数を下記のようです。どのコースであっても内容と経験症例数に偏り、不公平がないように十分配慮します。

  • 専門研修1年目
    基幹施設と連携施設のうちいずれかに所属し研修を行います。
    一般外科/麻酔/救急/病理/消化器/心・血管/呼吸器/小児/乳腺・内分泌 経験症例200例以上 (術者30例以上)
  • 専門研修2年目
    基幹施設と連携施設のうちいずれかに所属し研修を行います。
    一般外科/麻酔/救急/病理/消化器/心・血管/呼吸器/小児/乳腺・内分泌 経験症例200例以上 (術者80例以上)
  • 専門研修3年目
    原則としてNTT東日本関東病院外科で研修を行います。
    一般外科/麻酔/救急/病理/消化器/心・血管/呼吸器/小児/乳腺・内分泌 経験症例200例以上 (術者80例以上)
    不足症例があれば、その各領域へのローテートを追加します。

NTT東日本関東病院外科専門医研修プログラムの研修期間は3年間としていますが、習得が不十分な場合は習得できるまで期間を延長することになります(未修了)

2)年次毎の専門研修計画

基幹施設(NTT東日本関東病院)

時間 研修内容
8:15-8:30 朝カンファレンス
8:15-8:45 病理合同カンファレンス
8:30-8:45 クリニカルボード(院内全体)
8:40-9:00 病理切り出しカンファレンス
9:00-17:00 外来
9:00-17:00 手術
14:15-16:00 外科部長回診
17:00-17:30 キャンサーボード(1回/月)
17:30-18:30 死亡症例検討会(1回/月)
17:30-19:30 外科術前カンファレンス
18:00-18:30 消化器内科外科合同カンファレンス
18:00-19:00 病理消化器内科外科合同カンファ
(1回/月)
18:30-19:30 外科術後カンファレンス

研修プログラムに関連した年間スケジュール

4月 外科専門研修開始、専攻医および指導医に必要資料の配布
日本外科学会参加(演題発表を含めて)
5月 研修修了者:専門医認定審査申請の提出
7月 日本消化器外科学会参加(演題発表を含めて)
8月 研修修了者:専門医認定審査(筆記試験)
11月 臨床外科学会参加(演題発表を含めて)
2月 専攻医:研修目標達成度評価報告用紙と経験症例数報告用紙の作成(年次報告)
(書類は翌月に提出)
専攻医:研修プログラム評価報告用紙の作成(書類は翌月に提出)
指導医・指導責任者:指導実績報告用紙の作成(書類は翌月に提出)
3月 その年度の研修終了
専攻医:その年度の研修目標達成度評価報告用紙と経験症例数報告用紙の提出
指導医・指導責任者:その年度の指導実績報告用紙の提出
研修プログラム管理委員会の開催

5. 専攻医の到達目標(習得すべき知識・技能・態度など)

専攻医研修マニュアルの到達目標1(専門知識)、到達目標2(専門技能)、到達目標3(学問的姿勢)、到達目標4(倫理性、社会性など)を参照してください。

6. 各種カンファレンスなどによる知識・技能の習得(専攻医研修マニュアル-到達目標3-参照)

  • 基幹施設および連携施設それぞれにおいて医師および看護スタッフなどとの協働による治療および管理方針の症例検討会を行い、専攻医は積極的に意見を述べ、同僚の意見を聴くことにより、具体的な治療と管理の論理を学びます。
  • 外科術前カンファレンス:手術症例について、主訴、現病歴、既往歴、併存疾患、各種画像診断、血液生化学検査結果、各種生理学検査の結果を総合して、外科医全員で検討し、最終的な手術適応を決定します。術者、助手のチームについても併せて決定します。
  • 外科術後カンファレンス:担当した術者が手術症例の経過についてプレゼンテーションし、必要事項の確認や問題点に関して、外科医全員で検討します。
  • 消化器内科・外科合同カンファレンス:手術症例、ESD症例を中心に消化器内科医とともに画像診断を検討し、手術適応について検討します。
  • 病理・外科・消化器内科合同カンファレンス:手術症例を中心に、術前診断と切除検体とを対比し、最終病理診断を確認します。
  • Cancer Board:複数の臓器に広がる進行・再発例や、重症の内科合併症を有する症例、非常に稀で標準治療がない症例などの治療方針決定について、内科など関連診療科、病理部、放射線科、緩和、看護スタッフなどによる合同カンファレンスを行っています。
  • 基幹施設と連携施設による症例検討会:各施設の専攻医や若手専門医による研修発表会を毎年1回行い、発表内容、スライド資料の良否、発表態度などについて指導的立場の医師や同僚・後輩から質問を受けて、討論を行います。
  • 各施設において抄読会や勉強会を実施します。専攻医は最新のガイドラインを参照するとともにインターネットなどによる情報検索を行います。
  • 大動物を用いたトレーニング設備や教育DVDなどを用いて積極的に手術手技を学びます。
  • 日本外科学会の学術集会(特に教育プログラム)、e-learning、その他各種研修セミナーや各病院内で実施されるこれらの講習会などで下記の事柄を学びます。
  • 標準的医療および今後期待される先進的医療に関して、日本外科学会、日本臨床外科学会、日本消化器外科学会などの学術集会に参加して、最新の情報を得る機会を持ちます。
  • 医療倫理、医療安全、院内感染対策に関しては、各施設の院内で講演会を開催して、必要な知識を情報提供し、皆で共有します。

7. 学問的姿勢について

専攻医は、医学・医療の進歩に遅れることなく、常に研鑽、自己学習することが求められます。患者の日常的診療から浮かび上がるクリニカルクエスチョンを日々の学習により解決し、今日のエビデンスでは解決し得ない問題は臨床研究に自ら参加、もしくは企画する事で解決しようとする姿勢を身につけます。
学会には積極的に参加し、基礎的あるいは臨床的研究成果を発表します。さらに得られた成果は論文として発表し、公に広めるとともに批評を受ける姿勢を身につけます。
研修期間中に以下の要件を満たす必要があります。(専攻医研修マニュアル-到達目標3-参照)

  • 日本外科学会定期学術集会に1回以上参加
  • 指定の学術集会や学術出版物に,筆頭者として症例報告や臨床研究の結果を発表

8. 医師に必要なコアコンピテンシー、倫理性、社会性などについて(専攻医研修マニュアル-到達目標3-参照)

医師として求められるコアコンピテンシーには態度、倫理性、社会性などが含まれています。内容を具体的に示します。

1) 医師としての責務を自律的に果たし信頼されること(プロフェッショナリズム)

  • 医療専門家である医師と患者を含む社会との契約を十分に理解し、患者、家族から信頼される知識・技能および態度を身につけます。

2) 患者中心の医療を実践し、医の倫理・医療安全に配慮すること

  • 患者の社会的・遺伝学的背景もふまえ、患者ごとに的確な医療を目指します。
  • 医療安全の重要性を理解し事故防止、事故後の対応をマニュアルに沿って実践します。

3) 臨床の現場から学ぶ態度を習得すること

  • 臨床の現場から学び続けることの重要性を認識し、その方法を身につけます。

4) チーム医療の一員として行動すること

  • チーム医療の必要性を理解しチームのリーダーとして活動します。
  • 的確なコンサルテーションを実践します。
  • 他のメディカルスタッフと協調して診療にあたります。

5) 後輩医師に教育・指導を行うこと

  • 自らの診療技術、態度が後輩の模範となり、また形成的指導が実践できるように学生や初期研修医および後輩専攻医を指導医とともに受け持ち患者を担当し、チーム医療の一員として後輩医師の教育・指導を担います。

6) 保健医療や主たる医療法規を理解し、遵守すること

  • 健康保険制度を理解し保健医療をメディカルスタッフと協調し実践します。
  • 医師法・医療法、健康保険法、国民健康保険法、老人保健法を理解します。
  • 診断書、証明書が記載できます。

9. 施設群による研修プログラムおよび地域医療についての考え方

1)施設群による研修
本研修プログラムではNTT東日本関東病院を基幹施設とし、東京都以外の地域(神奈川県藤沢、埼玉県春日部)の連携施設も含めて病院施設群を構成してします。また都内渋谷区のクリニックとも連携しています。専攻医はこれらの施設群で研修を行うことにより、多彩で偏りのない充実した研修を行うことが可能となります。これは専攻医が専門医取得に必要な経験を積むことに大変有効です。一施設だけの研修では症例が偏り、経験が不十分となる可能性があります。この点、東京都以外の連携病院や都内のクリニックを含めた連携施設で多彩な症例を経験することで医師としての基本的な知識と経験を獲得します。このような理由から専攻医は施設群内の複数の施設で研修を行うことが大切と考えます。なお、NTT東日本関東病院外科専門医研修プログラムのどのコースに進んでも指導内容や経験症例数に不公平が無いように十分配慮します。
施設群における研修の順序、期間等については、専攻医数や個々の専攻医の希望と研修進捗状況、各病院の状況、地域の医療体制を勘案して、NTT東日本関東病院外科専門医研修プログラム管理委員会が決定します。

2)地域医療の経験(専攻医研修マニュアル-経験目標3-参照)
東京都以外の地域の連携病院では、都内とは異なる症例を経験することができます。また、病診連携・病病連携、地域包括ケア、在宅医療などの意義について、都内とは異なる状況を学ぶことができます。以下に本研修プログラムにおける地域医療についてまとめます。

  • 本研修プログラムの連携施設の中の2つは、神奈川県藤沢市や埼玉県春日部市における医療の拠点となっている施設です。そのため、連携施設での研修中に以下に示すような医療の研修が可能です。
  • その地域の医療資源や救急体制について把握し、その地域の特性に応じた病診連携、病病連携のあり方について理解して、実践する。
  • 消化器がん患者の緩和ケアなど、ADLの低下した患者に対して、在宅医療や緩和ケア専門施設などを活用した医療(ケア)内容を立案し、院内のスタッフの協力を得て、それらを遂行する。

10. 専門研修の評価について(専攻医研修マニュアル-VI-参照

専門研修中の専攻医と指導医の相互評価は施設群による研修とともに専門研修プログラムの根幹となるものです。
専門研修の1年目、2年目、3年目のそれぞれに、コアコンピテンシーと外科専門医に求められる知識・技能の習得目標を設定し、その年度の終わりに達成度を評価します。このことにより、基本から応用へ、さらに専門医として独立して実践できるまで着実に実力をつけていくように配慮しています。専攻医研修マニュアルVIを参照してください。

11. 専門研修プログラム管理委員会について(外科専門研修プログラム整備基準6.4 参照)

基幹施設であるNTT東日本関東病院には、専門研修プログラム管理委員会と、専門研修プログラム統括責任者を置きます。連携施設群には、専門研修プログラム連携施設担当者と専門研修プログラム委員会組織が置かれます。NTT東日本関東病院外科専門医研修プログラム管理委員会は、専門研修プログラム統括責任者(委員長)、事務局代表者、外科の4つの専門分野(消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科)の研修指導責任者、および連携施設担当委員などで構成されます。研修プログラムの改善へ向けての会議には専門医取得直後の若手医師代表が加わります。専門研修プログラム管理委員会は、専攻医および専門研修プログラム全般の管理と、専門研修プログラムの継続的改良を行います。

12. 専攻医の就業環境について

1)専門研修基幹施設および連携施設の外科責任者は専攻医の労働環境改善に努めます。
2)専門研修プログラム統括責任者または専門研修指導医は専攻医のメンタルヘルスに配慮します。
3)専攻医の勤務時間,当直,給与,休日は労働基準法に準じて各専門研修基幹施設,各専門研修連携施設の施設規定に従います。

13. 修了判定について

3年間の研修期間における年次毎の評価表および3年間の実地経験目録にもとづいて、知識・技能・態度が専門医試験を受けるのにふさわしいものであるかどうか、症例経験数が日本専門医機構の外科領域研修委員会が要求する内容を満たしているものであるかどうかを、専門医認定申請年(3年目あるいはそれ以後)の3月末に研修プログラム統括責任者または研修連携施設担当者が研修プログラム管理委員会において評価し、研修プログラム統括責任者が修了の判定をします。

14. 外科研修の休止・中断、プログラム移動、プログラム外研修の条件

専攻医研修マニュアルVIIIを参照してください。

15. 専門研修実績記録システム、マニュアル等について

研修実績および評価の記録

外科学会のホームページにある書式(専攻医研修マニュアル、研修目標達成度評価報告用紙,専攻医研修実績記録,専攻医指導評価記録)を用いて、専攻医は研修実績(NCD登録)を記載し、指導医による形成的評価、フィードバックを受けます。総括的評価は外科専門研修プログラム整備基準に沿って、少なくとも年1回行います。
NTT関東病院外科にて、専攻医の研修履歴(研修施設、期間、担当した専門研修指導医)、研修実績、研修評価を保管します。さらに専攻医による専門研修施設および専門研修プログラムに対する評価も保管します。
プログラム運用マニュアルは以下の専攻医研修マニュアルと指導者マニュアルを用います。

  • 専攻医研修マニュアル
    別紙「専攻医研修マニュアル」参照。
  • 指導者マニュアル
    別紙「指導医マニュアル」参照。
  • 専攻医研修実績記録フォーマット
    「専攻医研修実績記録」に研修実績を記録し、手術症例はNCDに登録します。
  • 指導医による指導とフィードバックの記録
    「専攻医研修実績記録」に指導医による形成的評価を記録します。

16. 専攻医の採用と修了

採用方法

NTT東日本関東病院外科専門医研修プログラム管理委員会は、毎年7月から説明会等を行い、外科専攻医を募集します。プログラムへの応募者は、11月15日までに研修プログラム責任者宛に所定の形式の『NTT東日本関東病院外科専門医研修プログラム応募申請書(就職願書)』およびその他所定の書類を提出してください。
申請書は

(1) NTT東日本関東病院のwebsiteよりダウンロード
(2)電話で問い合わせ(03-3448-6111)
(3) e-mailで問い合わせ(tnoie@east.ntt.co.jp
のいずれの方法でも入手可能です。
原則として11月中に書類選考および面接を行い、採否を決定して本人に文書で通知します。応募者および選考結果については12月のNTT東日本関東病院外科専門医研修プログラム管理委員会において報告します。

研修開始届け

研修を開始した専攻医は、各年度の5月31日までに以下の専攻医氏名報告書を、日本外科学会事務局および外科研修委員会に提出します。

  • 専攻医の氏名と医籍登録番号、日本外科学会会員番号、専攻医の卒業年度
  • 専攻医の履歴書(様式15-3号)
  • 専攻医の初期研修修了証

修了要件
専攻医研修マニュアル参照

一般研修目標(GIO)

外科医として信頼されうる医療を提供するために必要かつ基本的な知識・技能・態度を身につけ、外科専門医を取得することが、第一の目標である。さらに、消化器外科専門医など、より専門性の高い資格を認定すべく、手術を中心とした一般外科消化器外科全般の基礎修練をおこなう。

具体的研修目標(SBOs)

外科学会専門医修練カリキュラムに提唱される以下の到達目標1~到達目標5を行動目標とし、『各年度で指導される具体的手術手技内容』を別に定める。

1)到達目標1:外科診療に必要な下記の基礎的知識を習熟し,臨床応用できる。

  1. 局所解剖:手術をはじめとする外科診療上で必要な局所解剖について述べることができる。
  2. 病理学:外科病理学の基礎を理解している。
  3. 腫瘍学
    ①発癌,転移形成およびTNM 分類について述べることができる。
    ②手術,化学療法および放射線療法の適応を述べることができる。
    ③抗癌剤と放射線療法の合併症について理解している。
  4. 病態生理
    ①周術期管理などに必要な病態生理を理解している。
    ②手術侵襲の大きさと手術のリスクを判断することができる。
  5. 輸液・輸血:周術期・外傷患者に対する輸液・輸血について述べることができる。
  6. 血液凝固と線溶現象
    ①出血傾向を鑑別できる。
    ②血栓症の予防,診断および治療の方法について述べることができる。
  7. 栄養・代謝学
    ①病態や疾患に応じた必要熱量を計算し,適切な経腸,経静脈栄養剤の投与,管理について述べることができる。
    ②外傷,手術などの侵襲に対する生体反応と代謝の変化を理解できる。
  8. 感染症
    ①臓器特有,あるいは疾病特有の細菌の知識を持ち,抗生物質を適切に選択することができる。
    ②術後発熱の鑑別診断ができる。
    ③抗生物質による有害事象(合併症)を理解できる。
    ④破傷風トキソイドと破傷風免疫ヒトグロブリンの適応を述べることができる。
  9. 免疫学
    ①アナフィラキシーショックを理解できる。
    ②GVHD の予防,診断および治療方法について述べることができる。
    ③組織適合と拒絶反応について述べることができる。
  10. 創傷治癒:創傷治癒の基本を述べることができる。
  11. 周術期の管理:病態別の検査計画,治療計画を立てることができる。
  12. 麻酔科学
    ①局所・浸潤麻酔の原理と局所麻酔薬の極量を述べることができる。
    ②脊椎麻酔の原理を述べることができる。
    ③気管挿管による全身麻酔の原理を述べることができる。
    ④硬膜外麻酔の原理を述べることができる。
  13. 集中治療
    ①集中治療について述べることができる。
    ②レスピレータの基本的な管理について述べることができる。
    ③DIC とMOF を理解できる。
  14. 救命・救急医療
    ①蘇生術について述べることができる。
    ②ショックを理解できる。
    ③重度外傷を理解できる。
    ④重度熱傷を理解できる。

2)到達目標2:外科診療に必要な検査・処置・麻酔手技に習熟し,それらの臨床応用ができる。

  1. 下記の検査手技ができる。
    ①超音波診断:自身で実施し,病態を診断できる。
    ②エックス線単純撮影,CT,MRI:適応を決定し,読影することができる。
    ③上・下部消化管造影,血管造影等:適応を決定し,読影することができる。
    ④内視鏡検査:上・下部消化管内視鏡検査,気管支内視鏡検査,術中胆道鏡検査,ERCP 等の必要性を 判断することができる。
    ⑤心臓カテーテルおよびシネアンギオグラフィー:必要性を判断することができる。
    ⑥食道内圧検査,食道24時間pH モニター検査,直腸内圧検査,デフェコグラムなどの消化管機能検査: 適応を決定し,結果を解釈できる。
    ⑦呼吸機能検査の適応を決定し,結果を解釈できる。
  2. 周術期管理ができる。
    ①術後疼痛管理の重要性を理解し,これを行うことができる。
    ②周術期の補正輸液と維持療法を行うことができる。
    ③輸血量を決定し,成分輸血を指示できる。
    ④出血傾向に対処できる。
    ⑤血栓症の治療について述べることができる。
    ⑥経腸栄養の投与と管理ができる。
    ⑦抗菌性抗生物質の適正な使用ができる。
    ⑧抗菌性抗生物質の有害事象に対処できる。
    ⑨デブリードマン,切開およびドレナージを適切にできる。
  3. 次の麻酔手技を安全に行うことができる。
    ①局所・浸潤麻酔
    ②脊椎麻酔
    ③硬膜外麻酔
    ④気管挿管による全身麻酔
  4. 外傷の診断・治療ができる。
    ①すべての専門領域の外傷の初期治療ができる。
    ②多発外傷における治療の優先度を判断し,トリアージを行うことができる。
    ③緊急手術の適応を判断し,それに対処することができる。
  5. 以下の手技を含む外科的クリティカルケアができる。
    ①心肺蘇生法―ALS(気管挿管,直流除細動を含む)
    ②動脈穿刺
    ③中心静脈カテーテルおよびSwan-Ganz カテーテルの挿入とそれによる循環管理
    ④レスピレータによる呼吸管理
    ⑤熱傷初期輸液療法
    ⑥気管切開,輪状甲状軟骨切開
    ⑦心嚢穿刺
    ⑧胸腔ドレナージ
    ⑨ショックの診断と原因別治療(輸液,輸血,成分輸血,薬物療法を含む)
    ⑩DIC,SIRS,CARS,MOF の診断と治療
    ⑪抗癌剤と放射線療法の有害事象に対処することができる。

  6. 外科系サブスペシャルティの分野の初期治療ができ,かつ,専門医への転送の必要性を判断することができる。

3)到達目標3:一定レベルの手術を適切に実施できる能力を修得し,その臨床応用ができる.

一般外科に包含される下記領域の手術を実施することができる.括弧内の数字は術者または助手として経験する各領域の手術手技の最低症例数を示す。

  1. 消化管および腹部内臓(300例)
  2. 乳腺(20例)
  3. 呼吸器(10例)
  4. 心臓・大血管(10例)
  5. 末梢血管(頭蓋内血管を除く)(10例)
  6. 頭頸部・体表・内分泌外科(皮膚,軟部組織,顔面,唾液腺,甲状腺,上皮小体,性腺,副腎など)(10例)
  7. 小児外科(10例)
  8. 外傷(多発外傷を含む)(10例)
  9. 上記①~⑧の各分野における内視鏡手術(腹腔鏡・胸腔鏡を含む)(100例)

注1 (1)術者となるときは,指導責任者のもとに執刀する。
注2 (1)修練期間中に術者または助手として,手術手技を350例以上経験する。
  (2)前記の領域別分野の最低症例数を,術者または助手として経験する。
  (3)前記の領域別分野にかかわらず,術者としての経験が120例以上であること。

4)到達目標4:外科診療を行う上で,医の倫理に基づいた適切な態度と習慣を身に付ける。

  1. 指導医とともにon the job training に参加することにより,協調による外科グループ診療を行うことができる。
  2. コメディカルスタッフと協調・協力してチーム医療を実践することができる。
  3. 外科診療における適切なインフォームド・コンセントを得ることができる。
  4. ターミナルケアを適切に行うことができる。
  5. 研修医や学生などに,外科診療の指導をすることができる。
  6. 確実な知識と不確実なものを明確に識別し,知識が不確実なときや判断に迷うときには,指導医や文献などの教育資源を活用することができる。

5)到達目標5:外科学の進歩に合わせた生涯学習を行う方略の基本を習得し実行できる。

  1. カンファレンス,その他の学術集会に出席し,積極的に討論に参加することができる。
  2. 専門の学術出版物や研究発表に接し,批判的吟味をすることができる。
  3. 学術集会や学術出版物に,症例報告や臨床研究の結果を発表することができる。
  4. 学術研究の目的で,または症例の直面している問題解決のため,資料の収集や文献検索を独力で行うことができる。

『各年度で指導される具体的手術手技内容(Bは症例の難易度、各人の到達程度による)』

1年次
A(術者まで可能) 胃瘻・腸瘻造設、虫垂切除(開腹・腹腔鏡)、ヘルニア根治術、気管切開、小腸吻合、胃空腸吻合、胆摘(開腹・腹腔鏡)、消化管潰瘍穿孔、内痔核、痔瘻根治術、直腸脱の手術、人工肛門閉鎖術(腸管吻合)、人工肛門造設術、イレウス管挿入
B(第一助手もしくは術者) 甲状腺手術、乳癌手術、幽門側胃切除術、総胆管切開Tチューブ、S状結腸切除術、回盲部切除術、右(半)結腸切除術、高位前方切除術、イレウス手術
C(第一助手まで) 食道癌頚・腹部、胃全摘術、噴門側胃切除術、腹腔鏡補助下胃切除、肝切除、膵頭十二指腸切除、腹腔鏡補助下結腸切除、直腸癌手術
2年次
A(術者まで可能) 甲状腺手術、乳癌手術、幽門側胃切除術、総胆管切開Tチューブ、S状結腸切除術、回盲部切除術、右(半)結腸切除術、高位前方切除術
B(第一助手もしくは術者) 食道癌腹部、胃全摘術、噴門側胃切除術、肝部分切除、横行結腸切除術、左半結腸切除術、低位前方切除術、イレウス手術
C(第一助手まで) 食道癌胸部、腹腔鏡補助下胃切除、肝区域切除、膵頭十二指腸切除、膵体尾部切除、脾摘(開腹・腹腔鏡)、腹会陰式直腸切断術
3年次
A(術者まで可能) 食道癌腹部、胃全摘術、肝部分切除、横行結腸切除術、低位前方切除術
B(第一助手もしくは術者) 食道癌胸部、脾摘(腹腔鏡)、噴門側胃切除術、腹腔鏡補助下胃切除、膵頭十二指腸切除(再建を除く)、膵体尾部切除、肝区域切除、左半結腸切除術、腹腔鏡補助下結腸切除、潰瘍性大腸炎手術(大腸全摘出)、腹会陰式直腸切断術、イレウス手術
C(第一助手まで) 膵頭十二指腸切除(再建)、骨盤内臓全摘術

方略(LS)

  1. 指導医・上級医および下級医(初期臨床研修医)と共に、チーム内入院患者(担当患者)全員を朝夕回診し検討を行い、病状をすべて把握し、下級医を指導しつつ毎日のカルテ記載および入院患者管理を行う。
  2. 手術予定患者の術前サマリーを作成し(あるいは下級医を指導作成し)、各症例の問題点を明らかにして治療方針を立て、術前症例検討会でプレゼンテーションを行う(あるいは下級医のプレゼンテーションを指導する)。
  3. 担当患者の手術に、術者または第一助手または第二助手として参加する。切除標本がある手術の場合には、術後に標本整理を行い、その結果を手術記録に整備記録する。また、術者の場合には、手術当日に手術記録を完成させ、術後症例検討会でプレゼンテーションを行う。
  4. 担当患者の退院後は、速やかにカルテを整理し、退院後の初回外来受診時までに退院サマリーを完成する(あるいは下級医を指導して完成する)。
  5. 外来患者を主治医として担当し、問題点は指導医・上級医と相談しつつ、継続的に診療する。
  6. 木曜午前に、手術または外来の予定がない場合には、上部消化管内視鏡検査外科枠に参加し、上部消化管内視鏡検査を行う。
  7. 重症あるいは手術適応(疑い)の緊急入院患者の担当になった場合には、指導医・上級医と相談しつつ、第一優先で緊急対応を行う。
  8. 担当患者の夜間休日の急変にも常時対応できる心構えで生活する。
  9. 外科当直の場合には、原則すべての外科入院患者を把握する。
  10. 外科オンコールの場合には、QQセンターからの要請に、必要時には指導医・上級医と相談しつつ、迅速に対応する.
  11. 学会・研究会などで発表を行い,論文を作成する。
  12. 外科学会や関連学会が主催する教育講演などに参加して学習する。
  13. 外科カンファランス・週間予定
    月曜・金曜は8時から、水曜・木曜は8時15分から外科医師全員で検討会(7F病棟)
    緊急入院・緊急手術症例、発熱者、夜間の急変、重症者などを中心に入院患者の検討
    月曜 8時30分― 院内クリニカルボード(4Fカンファランスルーム)
    月曜 17時30分― 術後症例検討会・抄読会(7F病棟)
    *第1月曜 18時― SSI症例検討会 火曜 14時― 部長回診(7F病棟)
    火曜 18時― 術前症例検討会、消化器内科合同検討会(7F病棟)
    水曜 8時40分― 切除標本病理切り出し(2F病理)
    *第2水曜 18時― 病理消化器カンファランス(2F病理カンファランス室)
    金曜 8時15分― 術中迅速診断予定症例の術前検討会(2F病理カンファランス室)
    *第4金曜 17時― death conference(4Fカンファランスルーム)

評価(EV)

  1. 記SBOを基本に評価
    評価者:自己ならびに指導医・部長
    評価時期:毎年度終了時
    評価方法:自己記録ならびに部長の面談(後期研修医の希望)
  2. 指導者アンケート
    評価者:指導医・病棟師長
    評価時期:毎年度終了時
    評価方法:アンケート方式