医療事故の発生について
令和5年3月29日(水)に当院内視鏡センターにおいて、直腸癌術後の難治性吻合部狭窄に対する内視鏡治療(RIC(Radial Incision and cutting)法)を実施した患者さんが治療実施中に容体が悪化したため、集中治療室(ICU)に搬送し緊急処置を行いましたが、同日、お亡くなりになる医療事故が発生いたしました。
お亡くなりになった患者さんは50歳代の男性で、心よりご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様に多大なご心痛をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
当院では、事故の発生を受け、3月30日(木)にご遺族に対して治療経過及び病理解剖所見等について説明させていただき、3月31日(金)に院内医療安全管理委員会を臨時で開催し、治療経過・既往歴・病理解剖所見・医療行為前後の状況等を確認いたしました。
病理解剖の結果では、直腸切開部から口側の消化管内に大量の出血が確認され、死因は大量出血に伴う出血性ショックの可能性が考えられましたが、RIC法による合併症との因果関係を明らかにすることが困難であったため、「医療事故」(※)に該当するか否かについて、公的機関である「医療事故調査・支援センター」に助言を求めるとともに、院内調査(関係者へのヒアリングや治療映像の確認等)を進めてまいりました。
その結果、当院は本件を「医療事故」と判断し、医療法に基づき、「医療事故調査・支援センター」に4月17日(月)に報告いたしました。
今後、当院では、院外の有識者等第三者を含む院内事故調査委員会を設置し、第三者からの客観的な視点も加えて調査を進め、本件の原因を明らかにすることで、医療事故の再発防止に努めてまいります。なお、調査結果が明らかになるまでの間、大腸・直腸の吻合部狭窄に対するRIC法は停止しております。
調査結果の内容については、当院ホームページで後日公表する予定です。
※「医療事故」の定義<医療法第6条10>
病院、診療所又は助産所(以下この章において「病院等」という。)の管理者は、医療事故(当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であつて、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかつたものとして厚生労働省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)が発生した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、当該医療事故の日時、場所及び状況その他厚生労働省令で定める事項を第六条の十五第一項の医療事故調査・支援センターに報告しなければならない
NTT東日本関東病院