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リウマチ膠原病科


(1)概要

人体には、細菌・ウィルスなど病原体から体を守る働きをする免疫というシステムが備わっています。免疫システムが真にからだにとって有害なものを排除し、無害なものには反応しないならば問題はないのですが、免疫が何か“勘違い”を起こして、無害なものを有害と誤認するようになると、困ったことになります。特に、自分自身のからだを、有害なもの、敵であるとみなして攻撃をするようになると、組織は炎症を起こし、破壊され、甚だしい場合は命を失う危険もはらみます。このような仕組みで起こってくる病気を自己免疫疾患といいます。
自己免疫疾患は、単独の臓器や器官系のみを冒すものと、全身の臓器がダメージをうけるものがありますが、日本では、全身性の自己免疫疾患のことを総称して「膠原病」と呼んでいます。膠原病は、その病気の特徴からたくさんの種類に分類されていますが、最も多い疾患は関節リウマチという病気です。当科は、関節リウマチを含む膠原病を専門的に診療する部門です。

(2)ポリシー

当科の担当する疾患は、免疫の働きが問題を起こしていることが原因であるため、治療は免疫を抑えることが主軸となります。人体の中の副腎という臓器で生み出される信号物質(ホルモン)に免疫を抑える作用があり、長い間、リウマチや膠原病の治療において、ほぼ「唯一の切り札」として使われてきました。副腎ホルモンのおかげで、たくさんの命を救えるようになりましたが、長期的にこの薬を使うと、骨粗鬆症や糖尿病などの副作用が知られています。そこで、1990年代からはメトトレキサートなど新たに免疫抑制作用を持つ薬の使用法が開発され、2000年代には人体の免疫の仕組みを解明した最新研究をもとに設計された薬(生物学的製剤)が使えるようになりました。膠原病治療のスタンダードは、この10年、20年の間に大きな変貌を遂げており、当科では最新の知見に基づいて、安全かつ確実な医療の提供に努めています。

(3)当科の特色

  • 膠原病は、全身に症状が現れうる疾患であるため、他の診療科の医師との連携が不可欠です。また、長期にわたって治療を受ける患者さんも多く、地域で支えてくださる開業医の先生方との連携も非常に重視しています。当科は総合病院の一部門であり、こうした連携により患者さんの多様な問題・ニーズに対応してゆくことが可能です。
  • 患者さんのなかには、検査などで病気の悪化の兆候は全く見られないにもかかわらず、ずっと体調が悪いことを自覚されている方もいらっしゃいます。ひょっとすると、現在の医学は未完成で、そういった体調の悪さを検知する手段がないのかもしれませんし、免疫を抑える薬剤を追加したり変更したり(もしくは減らしたり)ということでは解決できない問題なのかもしれません。そのような場合、身体のトラブルを全く違った視点から捉える東洋医学の診療を取り入れると、解決に近づくことがあります。当科では、日本東洋医学会漢方専門医による治療を受けることが可能です。
  • 近年、免疫の仕組みを研究する学問が目覚ましい勢いで進展しており、そこから得られた成果として、今までとは全く異なった作用を持つ薬剤が次々に開発されています。しかし、実際の医療現場で使われるようになるためには、薬剤の安全性と有効性が科学的に証明されなければなりません。具体的には、協力してくださる患者さんを募り、条件に適合する方々にお薬を使用していただき、データを集めます。この時、一定数の患者さんには「偽薬(プラセボ)」すなわち効き目がないはずの薬が割り当てられますが、最終的にデータを分析するときまで、どなたがどちらの薬に割り当てられたか、分からないようにします。そして、新しい薬が安全であること、偽薬を上回る有効性があることがデータで確かめられて、初めて新しいお薬が多くの患者さんに使えるようになります。この一連の検証作業を「治験」と呼びます。当科は、同じ病気で苦しむこれからの患者さんのために、「治験」に積極的に取り組みます。

受診される方へのメッセージ

膠原病には、いわゆる難病(特定疾患)に指定されている疾患が多数含まれます。そのためか、膠原病と診断された患者さんには、「難しい病気にかかった」と非常に心配される方、不安に感じられるという方が大勢いらっしゃいます。しかし、膠原病=「難しい病気」かどうか、一概には言えない部分があります。たとえば、命を救うことが難しい病気か、という面では、膠原病はもはや「難しい病気」ではなくなりつつあります。かつてはリウマチや膠原病にかかった人は、かかっていない人に比べて平均寿命がかなり短いとされていましたが、治療の進歩により大幅に改善してきています。多くの患者さんが、膠原病にかかっていない人と同じように人生を楽しみ、寿命をまっとうできる時代になってきました。
当科では、病気の症状に対する治療はもちろんのこと、病気を抱えたことによる不安や心配も和らげることができる、そんな診療を心掛けたいと思っております。

部長 津田 篤太郎