助産師は出産のお手伝いが主な仕事と思われがちですが、実際には妊娠中の体と心のケアから始まり、出産後も育児が不安なくできるようになるまでをサポートする、妊産婦さんの心強い味方です。 当院でも、妊娠期から育児期まで通してさまざまな場面で助産師が関わります。そのタイミングやどのように関わるかについてお伝えします。

妊婦健診や保健指導

妊娠初期(妊娠12週頃)・中期(妊娠26-30週頃)・後期(妊娠35-36週頃)の計3回、保健指導という形で助産師とゆっくりお話しする機会があります。妊娠生活の疑問や、つわり・むくみなどのマイナートラブルへの対策、パートナーや家族のサポートの調整方法、職場復帰に関してなど、不安なことがあればなんでも相談してください。保健指導のタイミングでなくても、不安なことがある場合はいつでもお話しできるので、妊婦健診時に声をかけてください。
必要があれば医療ソーシャルワーカーから社会資源の情報提供を受けたり、ご自宅に帰られてからサポートしてくれる地域の保健師との橋渡しをすることもできます。

妊婦健診や保健指導

出産時

妊娠中に書いていただくバースプランをもとに、ご自身の出産をどのような体験にしたいかを助産師と共有しながら過ごします。陣痛中の楽な姿勢や呼吸法、体の動かし方などをサポートします。パートナーの方にも、どのようにサポートしたらいいかアドバイスさせていただきます。
帝王切開の場合も手術室まで助産師が付き添います。妊婦さんの不安に寄り添い、生まれた赤ちゃんが胎外生活に適応するためのサポートをします。
また、当院では2025年3月からは経産婦さんを対象に、無痛分娩を開始します。
無事に赤ちゃんと会えるように一緒に出産を乗り越えましょう。

出産後の入院中

出産後は体を休める間もなく赤ちゃんとの生活がスタートします。授乳やおむつ替えなど赤ちゃんのお世話の方法を練習したり、合間で休息をとる方法をお伝えします。疲労が強い場合は赤ちゃんをお預かりすることもできるので、体調にあわせて相談してください。
退院してからはご家族と赤ちゃんとの生活が始まります。パートナーの方にも育児(ミルクのあげ方やおむつ替え、沐浴の方法など)や、ママとの育児分担の方法を伝えてほしい場合は、「助産ケア」を退院前に受けていただくこともできます。

産後のケア

もう少し体や心の疲れをとってから退院したい、助産師にもっといろいろ聞いて少しでも不安を取りのぞいて退院したいとご希望の方は1泊2日~2泊3日の延泊ができる「産後ゆったり入院」プランをご用意しています。その際品川区に住民登録がある方は事前に申請することで、助成を受けることもできます。
また一度退院された後も、産後3か月までの方を対象に「産後デイケア」を行っています。退院後に不安が強くなってきた、自宅に帰ってからのご自身の疲れを癒したい、お子さんを預けてリフレッシュしたいなどの希望がある方はご予約ください。こちらのプランは地域の皆様にご活用いただけるよう、当院以外で出産された方も対象となります。
私たち助産師は、妊産婦さんたちの味方でいたいと考えて日々関わらせていただいています。出産後に書いていただくバースレビューやアンケートには、医師も助産師も優しく手厚いサポートをしてくれてよかったというお言葉を多くいただき、とても嬉しく思っています。妊娠中や育児中は心身の不調を感じたり不安や悩みを抱くことも多いですが、気持ちを共有することで少し解消されるかもしれません。私たち助産師は、ご家族や地域の保健師とも連携しながら妊産婦さんのサポートができればと考えています。お話したいことがあればいつでも声をかけてください。