患者さん同士の支え合いの場

がんの治療や療養生活において、患者さん同士の支え合いは非常に重要です。がんと診断された直後や治療を始めたころは、家族や周りの人も本人の話に耳を傾けてくれることが多いですが、治療の経過が安定してきたり療養生活が長くなったりすると、患者さん自身も周囲に話すことを遠慮してしまうことがあります。また、がんの病気そのものよりも、療養や社会復帰のこと、経済的な問題など、普段の生活についての個人的な心配事も気になることが多くなり、誰に相談すればよいのかわからないと思い悩むこともあります。
このようなとき、患者さん同士が出会える場として「患者会」、「患者サロン」、「ピアサポート」などがあります。こうした場で他の患者さんの経験を聞くことで、自分の悩みを解決するヒントを見つけたり、問題との付き合い方を学んだりすることができます。特に、治療の後遺症などで生活が不便に感じる場合、実体験に基づく解決方法や工夫が参考になることがあります。
また、がんの体験を素直に話すことで、自分が病気のことをどのように理解して受け止めていたのかがはっきりしてきます。同じ体験をした人に話を聞いてもらうことで、安心感や連帯感が生まれ、自信を取り戻すきっかけになることもあります。患者さん同士が支え合うことは、さまざまな良い影響を及ぼすことがあります。

■患者会

患者会とは、同じ病気や障害、症状など、何らかの共通する患者体験を持つ人たちが集まり、自主的に運営する会のことです。お互いの悩みや不安を共有したり、情報を交換など行ったりしています。定例会による気持ちや情報の分かち合い、電話や電子メールなどによる悩みの相談、会報による情報提供などを行っていることが多いです。また、特定のがんに限定している会もあれば、さまざまな種類のがんを対象に活動しているところもあります。

■患者サロン

患者サロンとは、患者さんやご家族など、同じ立場の人が、ご自身の病気のことを気軽に、本音で語り合う交流の場です。運営の仕組みはさまざまで、患者さんや家族が主体になって活動しているところもあれば、医療者を中心に活動しているところもあります。また、両者が協力しながら運営しているサロンもあります。

■ピアサポート

ピア(Peer)とは「仲間」という意味で、ピアサポートとは、同じような悩みあるいは経験を持つグループの中で、同じ仲間として対等な立場で行われる支援のことです。仲間から支えられていると感じられる場にいることによって、お互いに支え合ったり、悩みの解決につながったりすることが期待されています。がんにおけるピアサポートは、患者さんやご家族の悩みや不安に対して、がん経験者が自分の経験を生かしながら相談や支援を行うといった形での取り組みです。このような活動が始まったのは、ここ数年のことで、医療機関内などで実施されています。

当院で開催されている患者さん同士の支え合いの場

●患者サロン:なごみ会

がんの種類は問いません。様々な講義や患者さん同士の話し合いの会です。
参加者:患者さん、ご家族
開催頻度:毎月
場所:オンラインと当院での参加でのハイブリッド形式
時間:平日 14:30~15:30

●患者会:ねむの木

血液疾患の患者さんの会です。
参加者:患者さん、ご家族
開催頻度:年4回程度
場所:当院のレストラン 「池田山 garden café」(2階)
時間:平日 13:30~15:30

それぞれの会の開催日時や内容につきましては「がん相談支援センター」にお問合せ下さい。

※その他 東京都のがん患者団体・支援団体の情報
東京都保健医療局:がん患者団体・支援団体の情報 掲載団体一覧 東京都保健医療局

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