医師と公認心理師が連携し、異なる視点で病態を探る

精神神経科・心療内科では、心の病気の診断と治療を行っています。心の病気というと、うつ病を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、うつ病は全体のほんの一部で、当科で扱う疾患には双極症や統合失調症、認知症など、さまざまな種類があります。また、疾患の名前が同じでも、症状の現れ方や発症後の経過は人によって大きく異なるため、治療法も多岐にわたります。そのため、患者さんの診察をして診断名をつけるだけでは、個別の病態に沿った適切な治療を提供することはできません。
そこで、当科では、医師と公認心理師など多職種で協働して治療を考えます。医師は医学的な知見に基づく診察や検査結果をもとに病状を見極め、公認心理師は心理検査や対話を通じて患者さんが抱える問題の本質を探ります。複数の視点で患者さんを診ることにより、発症に至る経緯を踏まえたオーダメイドの治療を行うことができるのです。

当院の特徴

多職種連携で、多角的に治療方針を検討します 必要に応じ、血液・画像・心理検査を行います
院内の各診療科と連携して治療を行います 状態に応じて、入院治療が可能です
パーソナルリカバリーを大切にします 修正型電気けいれん療法など入院しての高度治療に対応します

複数の専門家のサポート

医師 医学的な見地から患者さんの心の状態を見極め、薬物療法をはじめ治療方針の策定と症状管理を担います。
看護師 精神的・心理的な問題を抱える患者さんに必要なケアを行い、希望に沿った生活ができるよう支援します。
薬剤師 薬物療法が適切に行われるよう、お薬に関する相談を受けたり、副作用の有無を確認したりします。
精神保健福祉士
(厚生労働省認定)
退院後の生活や社会復帰を見据え、地域の機関と連携して環境を調整します。
作業療法士 病棟での作業療法やリワークプログラムなどを通じて、生活の支障になる精神症状の改善を図ります。
管理栄養士 栄養管理や指導を通じて、食事の面から患者さんの体調を支えます。
公認心理師
(文部科学省・厚生労働省認定)
専門知識を生かして心理検査や解決を行い、患者さんの困りことの解決につなげます。

院内患者へのリエゾン医療と、重症例に対する治療にも注力

もう1つ、当科の大きな特徴に、身体疾患で入院中の患者さんを支える精神科リエゾンチームの活動があります。リエゾンチームとは、身体疾患で入院中の患者さんが心の不調を抱えた場合に機能する多職種合同チームのことです。精神神経科・心療内科の医師、精神科専門看護師、公認心理師※がチームメンバーとなり、病棟スタッフと連携し専門性を生かしたサポートと院内コンサルテーションを行っています。
また、入院による難治性のうつ病や統合失調症に対する修正型電気けいれん療法も注力している点の1つです。脳に短時間の電気刺激を送ることで症状の改善を図る方法で、回数を重ねると患者さんの病態によってはかなりの改善が見られることもあります。

※公認心理師(文部科学省・厚生労働省認定)