白内障手術を中心に、糖尿病の合併症などにも院内連携で速やかに対応

当科では、白内障を筆頭に、緑内障、糖尿病網膜症や網膜剥離、加齢黄斑変性などの網膜·硝子体疾患などを広く診療しています。糖尿病の三大合併症の一つで、目の中の網膜といわれる部分がダメージを受けて視力が低下する糖尿病網膜症などについては、糖尿病·内分泌内科などと連携しながら治療にあたります。
さまざまな目の病気の中でも、特に多くを占めるのが白内障です。当科で行う手術の大半は白内障の手術であるため、より質の高い治療を提案すべく設備の強化と技術の研鑽に努めてきました。現在、当科には4人の常勤医が在籍しており、連携しながら治療にあたっています。

白内障ってどんな病気?

白内障は、目の中でレンズのような役割をしている「水晶体」が白く濁り、光を網膜に届けられなくなる病気です。初期では明確な症状が現れないことも多く、気づかないまま過ごしている方も多くいます。白内障の濁りを薬で取ることはできず、問題を根本的に解消する方法は手術のみです。手術は日帰りも可能で、早ければ翌日から視力の回復を実感できます。手術後は翌日と1週間後に診察を受けていただく必要があるため、遠方の方などはご希望に応じて入院での手術にも対応しています。

高度の白内障。白内障は水晶体が濁る病気である
眼球イメージ

白内障の原因は主に加齢、違和感があれば速やかに眼科で検査を

白内障の原因は、先天的なものや、アトピー性皮膚炎・糖尿病といった全身疾患に併発するもの、薬の副作用などさまざまですが、最も多いのは加齢による「加齢性白内障」です。白内障になると、目の中でカメラのレンズのような役割を担っている水晶体が白く濁り、光を通しにくくなります。「物がかすんで見える」「視界がぼやける」「太陽光や蛍光灯がまぶしく感じる」「急に視力が低下した」といった症状がある場合は、白内障の初期症状かもしれません。できるだけ早めに受診しましょう。
しかし、こうした症状は老眼などでも起こるため、年齢のせいだと考えて放置してしまうことがほとんどです。白内障は手術をすればほぼ治る病気であり、通常は手遅れになる病気ではないものの、進行した場合は手術の難度が上がります。違和感をそのままにせず、受診に結びつけることが大切です。

常勤の医師の画像
現在、常勤の医師4人の眼科。白内障で来院した患者さんの手術は、他院に依頼することなく当院の医師で対応

白内障の根本治療は手術、生活への影響度合いに応じて手術をするかどうかの決断を

白内障は70代以降に多い疾患ですが、若いうちから発症することもあります。根本的な改善には手術が必要ですが、差し迫って生活に支障が出ていない場合は急いで手術をする必要はありません。ただし、車の運転や読書、仕事、家事などで何らかの不自由を感じている場合は、年齢にかかわらず手術を検討すると良いでしょう。見えづらさが改善すれば生活の質が上がり、日々の暮らしをより楽しめるようになります。
白内障の中には、初期症状がほとんど現れず、発症していることに気づきにくいものもあります。一般的には加齢とともに発症リスクが上がるため、目立った症状がない場合でも定期検診を欠かさないようにしてください。

手術室の画像
治療に最善を尽くせるよう、手術室をはじめ設備にもこだわっている

先生よりメッセージ

小田仁写真_コメント用

白内障は、手術をすれば視力を回復できる病気です。手術の判断は、単純な視力ではなく「本人の見えづらさ」「生活のしにくさ」によって行います。年齢にかかわらず、何らかの不具合や不便さを感じている方は、お気軽にご相談ください。