迷ったら困難なほうへ がん診療最前線に勤務

渋谷:まずは、腫瘍内科について概要を教えていただけますか。

棚井:抗がん薬(がん薬物療法)をはじめとするさまざまな治療の知識や技術を使って、患者さん一人ひとりに最適ながん医療を提供する診療科です。さまざまな診療科や職種と連携しながら、生活の質向上も含めた最善の治療をめざしています。また、がんゲノム検査のための診察にも対応しています。

渋谷:先生はもともと、呼吸器内科がご専門でしたね。

棚井:研修医1年目に呼吸器内科で指導してくださった先生方がとても尊敬できる方々だったんです。技術的にも人間的にも信頼できると感じて、呼吸器内科を選びました。

渋谷:その後、がん専門の病院に勤務されて。

棚井:はい。主に肺がんの診療を行う中で、がんの薬物療法が日進月歩で進化していることを身をもって実感しました。そこで、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医を取得して、今に至ります。

渋谷:がんの治療は、大変なことも多いのではないですか。

棚井:昔から、迷ったら大変なほうへ進むタイプなんですよ。がんで苦しむ人を1人でも多く救いたい、その一心です。

質の高い医療を求めて 再びNTT東日本 関東病院へ

渋谷:実は棚井先生とは、研修医のときに当院でご一緒しているんですよね。

棚井:はい、研修医1年生の時にお世話になりました。

渋谷:実は面接を担当したのも私(笑)。面接ではいつも「笑顔が良い人」を条件の1つにしているんですけど、棚井先生は特に笑顔が良かったんです。上司や先輩が進んで教えたくなるような人だと思って、採用を決めました。

棚井:北海道で開催された学会発表にも連れて行っていただきましたよね。当時はまだ誰も注目していなかった症例を渋谷副院長が発表されたのをよく覚えています。その症例が現在ではスタンダードになっていることからも、当院で働く医師の優秀さがわかるのではないでしょうか。私もその後、知見を広めるべくいろいろな病院で勤務しましたが、やっぱりNTT東日本 関東病院で働きたいと思ってしまって…。結局戻ってきてしまいます。

渋谷:他院を経験してなお、そう言ってもらえるのはうれしいですね。

棚井:女性も男性も分け隔てなく生き生きと働ける環境は、渋谷副院長をはじめ先輩方の努力あってこそ。女性ならではの悩みともうまく付き合いながら働き続けられる病院だと思います。

特に腫瘍内科では、患者さんの状態を多角的に把握するうえで、メディカルスタッフの力が欠かせません。知識や経験豊富なスタッフのおかげで、安心して連携できます。