関節が痛い、発熱が続くなどの症状は、膠原病を疑うサインの一つ。関節リウマチをはじめとする膠原病には難病のイメージもありますが、近年は薬剤の開発などが進み、病気と共存しながら希望どおりの人生を送れる人が増えています。
リウマチ・膠原病ってどんな病気?

体を守る免疫という機能に問題が生じ、皮膚や関節、腎臓など臓器に炎症が起きる疾患のグループを「膠原病」と呼びます。
自分の体をウイルスのような異物と誤認、排除しようとする過程でさまざまな症状を引き起こします。膠原病には100種類以上の病気があり、「膠原病」は単体の病気の名前ではありません。関節リウマチも膠原病の一つです。膠原病は難病だと思われていた時代もありましたが、治療法が進化した今は、早期診断・治療により患者さんが思い描く人生を送ることが可能になってきています。
当院では以下の病気をはじめ、さまざまなリウマチ・膠原病の診察・治療をしています
関節リウマチ
指趾や手首などの関節に炎症が起こり、痛みや腫れが生じます。治療しないままだと関節の変形につながります。肘、肩、膝、股関節、足首に症状が出ることも。
乾癬性関節炎
乾癬という皮膚の病気に合併して、関節リウマチのような関節の痛みや腫れが起きることが特徴です。
皮膚症状が先に出ることも、後から出ることもあります。
全身性エリテマトーデス
発熱や倦怠感、関節痛、皮疹といった多様な症状につながります。蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)と呼ばれる皮疹が顔に出ることや、腎臓の機能低下で蛋白尿が出ることもあります。
高安動脈炎(高安病)
20~30代の女性を中心に大動脈や枝分かれする血管に炎症が生じます。発熱や倦怠感に加えて血管が狭くなったりふくれることがあります。
全身性強皮症(強皮症)
皮膚や内臓が徐々に硬くなる「線維化」が起きます。皮膚をつまめなくなる他、手足の血管が収縮して指先が白くなる、肺の線維化による息切れなど、さまざまな症状が出ます。
巨細胞性動脈炎
主に60代以降で頭や目の動脈に炎症を起こします。側頭動脈に巨細胞という細胞が見られることからこの名前に。発熱や側頭部の頭痛や視力低下などの症状が見られます。
ANCA 関連血管炎
臓器に栄養を送る血管に炎症が生じ、全身の細い血管が傷つきます。
微熱や倦怠感、腎臓機能の低下や間質性肺炎などを起こします。
家族性地中海熱
炎症のバランスをとるパイリンというタンパク質の機能異常と関連して発症します。
一定の間隔で発熱することが特徴で、腹痛や胸痛の他、関節炎が出ることも。
関節リウマチをはじめとする、膠原病にならないためにできること
ダイエットをすると、お薬を減らしやすくなります。
歯周病は感染症や糖尿病、がんのほか、関節リウマチを引き起こす原因の一つです。
喫煙はリウマチの発症や悪化に深く関わります。

当科は「人生を診る診療科」として患者さんと一緒に未来を見つめながら治療を行っています。
先生にお話しを聞きました!

リウマチ膠原病科 医長 陶山 恭博
2006年信州大学医学部卒業。飯塚病院にて初期研修後、聖路加国際病院内科レジデント、同アレルギー膠原病科フェローを経てJR東京総合病院勤務。2024 年より現職。日本内科学会総合内科専門医・認定内科医、日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医・評議員。