病棟全体のDX/ICT化で「医療安全・医療の質向上」「患者さん満足度向上」「医療従事者の働き方改革」を実現

2022年10月から運用を開始している新病棟は、先進的な技術を取り入れたスマートホスピタル病棟です。患者数の多い同病棟には 内視鏡検査や治療を行う消化管内科の患者さんが入院していて、入院期間が7日未満と短い場合がほとんどです。
病棟では、患者さんのバイタルサインの計測や記録業務が、看護師業務の大半を占めます。これまでは、計測値を電子カルテ端末へ手入力していましたが、通信機能付きバイタルサイン測定機器を導入することで、機器をモバイル端末にかざすだけで計測値を自動で入力できるようになり、業務を効率化できました。(写真1参照)。効率化によって確保できた時間は、患者さんの身体状態の観察や説明時間にあてられるようになり、医療の質の向上と患者さんの安心につながったと考えられます。

(写真1)モバイル端末をかざすだけで電子カルテへバイタルの自動入力が可能

また、患者さんの容態悪化の予兆を早期に発見し対応するために、早期警戒アラート発報システム(2023年7月運用開始予定)を導入します。バイタルサインの測定値や心電図モニターからの測定値を集約し、自動判定した急変リスクを医療者へ通知する、医療安全に寄与するICTです。
今後も病院全体のDXを進め、病院一丸となって多くの患者さんに安心で満足していただける高度な医療を提供できるよう努めてまいります。

患者さんへの院内の案内などは タブレットで確認が可能

DX/ICT化への取り組み

当院では2021年より、データとデジタル技術を活用して業務そのものを変革させるDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するための専門組織を創設し、本格的にICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)を活用したDX化に取り組んでいます。
導入されているシステムの1つである遠隔画像診断システム(Join:ジョイン)は、医師が自宅等にいながらモバイル端末でCT画像等を確認することができ、チャット機能を使えばメンバー間の情報連携や遠隔地から処置室へ具体的な医療指示を出すことも可能です。夜間救急対応時においても、処置室の医師等が遠隔地にいる上級医からの判断・指示を受けて処置ができるため、受け入れ数を増やせるようになります。提供する医療の安全・質を向上させ、患者さんが安心して当院を受診できるようDXを推進していきます。