当院では、2023年8月から早期警戒システムの運用を開始しました(下記①②参照)。このシステムは、入院中の患者さんの急変する可能性を早期に検知し、医療者へ適切な対応を行うための“気づき”を支援します。

早期警戒システムのモニタリング画面

急変する可能性=容態急変のリスクは、National Early Warning Score(NEWS)を用いて評価します。評価する項目には呼吸数、体温、血圧、脈拍数などがありますが、当院の早期警戒システムではこれらの数値を看護師の記録だけではなく、心電図モニターやその他の機器から直接収集し集計することができます。リスク評価は、NEWSの合計点が7点以上であれば高リスク、5から6点、もしくは項目の評価に1つでも3点以上があれば中リスク、0点から4点であれば低リスクに分類されます。なお、早期警戒システムはナースコールシステムとも連動しているため、高リスクと評価された場合には、担当看護師が持つPHS(病院職員が使用している電話)にその情報が自動で通知されます。

早期警戒システムのイメージ

  • 酸素投与、意識状態、脈拍数、呼吸数、体温、SpO2(酸素飽和度)、収縮期血圧など看護師が集めた情報
  • 病室の心電図モニターや眠りスキャンによる心拍数、呼吸数、SpO2の情報
  • 全体のモニタリングはベッドコントロール担当の看護師が実施しています
  • 高リスク判定時、担当看護師のPHSに通知が届きます
  • 看護師の記録だけではなく、心電図モニターやその他の機器からのデータを集め、高リスクの判定時は担当看護師のPHSへ通知されます

早期警戒システムは、入院しているすべての患者さんの評価をモニタリングすることも可能です。モニタリングは、入院ベッドをコントロールしている看護師が行っています(上記③参照)。高リスクと評価された場合は、患者さんが入院している病棟の看護師へ連絡し、容態の再確認や一般の病棟から重症患者のケアを行うハイケアユニットや集中治療室への移動を検討するよう指示を出します。このような取組みの結果、患者さんが急変する前に対応できたケースが増えました。
今後もシステムの運用を通して、患者さんに安心と安全な医療とケアの提供に努めてまいります。