超早期からのリハビリが変える予後。安全性を担保しつつ早期に介入を。
科学的根拠に基づく適切なリハビリで、QOLを改善
かつて、脳卒中や心筋梗塞などの超急性期には、病院のベッドで安静を保つことが推奨されていました。「リハビリは急性期を乗り切り、二次的な損傷の危険がなくなってから」というのが基本的な認識だったのです。しかし現在では、長期的な安静状態の維持による筋力や呼吸機能の低下、関節の拘縮や血栓症などが早期復帰の弊害となることがわかり、早期からのリハビリ介入が入院期間の短縮、社会復帰後のQOL改善につながることが科学的なデータで示されています。
最善のタイミングで、個々に合わせた支援を
ただし、やみくもにリハビリの開始を早めれば良いというわけではありません。多職種が連携して安全性を保ち、確実に全身管理ができる環境のもと、その方の病態に応じた最善のタイミングで適切なリハビリテーションを行うことが重要です。当院では、脳卒中、循環器、運動器、がんを中心とした内臓疾患の4つのチームを編成し、早期のリハビリ介入に必要な体制を整えてきました。このうち、脳卒中チームと循環器チームでは、「意識状態が悪いからこそ体を起こす」という考えのもとで超急性期からリハビリを行い、早期復帰と予後の改善を実現しています。
循環器チーム:安川 生太さん
ICU入室当日から介入 生活改善まで多職種で支える

最速で離床と運動を促すため、集中治療室(ICU)に患者さんが入ったその日からのリハビリ開始を基本としています。運動療法を軸に、睡眠やストレスの管理を担う心理士など多職種が必要に応じて介入し、生活改善までを包括的に支援。産業医や職場と面談を行い、働き盛りの世代の「療養と就労の両立支援」にも注力しています。
脳卒中チーム:首藤 哲也さん
見えない障害にも寄り添い、生活の再建に伴走する

理学療法士·作業療法士·言語聴覚士が連携し、発症直後からの超早期リハビリを実施。言語聴覚士による嚥下機能評価や発話訓練のほか、記憶や注意、社会的行動などを司る脳への障害の有無を評価する高次脳機能評価と治療にも注力し、目に見えにくい障害を含めた日常生活動作の回復と社会復帰を見据えて包括的支援を行っています。

身体能力の改善を図る理学療法士、生活動作の訓練を担う作業療法士(OT)、嚥下訓練などを行う言語聴覚士が在籍

医療機器を付けたままでも安全にリハビリが行えるよう、病棟内にリハビリスペースを設置
地域で支える在宅復帰チームで再発を防止
各診療科の医師、看護師、栄養士、心理士などが初期から患者さんに関わり、全員で患者さんを支える包括的リハビリも当院の特徴です。また、地域連携の面では、当院主催の定期的な勉強会などを通じて回復期リハビリ病院との強固なネットワークを構築し、転院先の充実を図っています。転院後に別の疾患を発症した場合には、当院で治療後に再びお戻しするなど、柔軟に連携していますのでご安心ください。自宅へ直接お戻りになる患者さんについては、退院後の生活を見据えてスタッフが自宅を訪問して環境調査を行い、地域のケアマネージャーなどと協力しながら安全に在宅生活を送れるようサポートしています。
当科では入院中のすべての患者さんに対して急性期リハビリを行っています。患者さんが住み慣れた地域で自分らしい生活を送れるよう、全力でサポートします。

先生にお話しを聞きました!

リハビリテーション科部長 福田 明
1992年東京大学医学部卒業。榛原総合病院、東京都立墨東病院、総合病院国保旭中央病院、東京大学医学部附属病院、東京大学大学院、東芝病院を経て、2018年4月より現職。切れ目のない医療とリハビリで患者の生活を支えるべく、地域医療連携にも注力する。

