体制強化で専門性が広がり、対応できる手術も増加

本や新聞の文字が読みづらい、以前よりものがぼやけて見えるーー。そんな見え方の違和感は、年齢を問わず誰にでも起こるものです。しかし、「よくあることだから大丈夫」という思い込みは危険です。中には、見えにくさを放置することで視力を大きく損なう重い疾患もあるからです。
当院では、白内障と緑内障のほか、糖尿病網膜症やぶどう膜炎など幅広く眼科疾患の診断・治療ができる体制を整え、広く紹介を受け入れています。常勤4名・非常勤2名(2025年11月現在)の医師が在籍しており、2025年からは硝子体手術、白内障と緑内障の同時手術も行えるようになりました。診断から、手術治療まで一貫して行うことで、病歴や検査データを一元管理し、統一された治療方針のもとで適切な治療をタイミングよく実施することができます。

低侵襲な白内障治療で高齢でも、見え方の回復が望める

特に力を入れている疾患の一つに白内障治療があります。白内障は加齢とともに誰にでも起こりえる身近な疾患ですが、若くして発症することも少なくありません。発症後すぐには自覚しにくく、進行すると「かすんで見える」「光がまぶしい」「色がくすんで見える」などの症状が現れます。初期の症状は軽度で進行はゆっくりですが、日常生活に支障をきたす場合には、にごった水晶体を取り除いて人工レンズを挿入する手術で根本的な改善を目指す必要があるでしょう。
最近では、局所麻酔で、2-3mm程度の小さい傷口で短時間で終わる白内障手術が主流です。高齢の方でも身体的な負担を最小限に抑えられるので、年齢だけを理由に手術をあきらめる必要はありません。例えば、当院では80代、90代の方でも丁寧に診察を行い適応を見きわめ、患者さんご本人や、必要に応じてご家族ともよく相談して最終的に手術をするかどうかを決めています。当院では、患者さんの年齢や健康状態を考慮し、適切な診療を行っています。

見え方の変化を感じたら、できるだけ早く医療機関へ

白内障手術によって視力が改善することで生活の質が上がったり、転倒防止などに役立ちますが、直接的な視力改善の効果以外にも期待できるメリットがあります。一つは白内障以外の目の病気の検査がしやすくなり、他の病気の発見や進行が正確にとらえられるようになるということです。濁りをとることでその奥にある病気の観察がしやすくなったり、見え方に関する検査の結果が白内障の影響を受けにくくなるからです。他にも、白内障手術で見え方を改善させておいたほうが認知機能の低下の防止になることも報告されています。
白内障の進行はゆっくりで、かなり進行しても不便さに気づきにくいこともありますが少しでも見え方に違和感を感じていたら放置しないで眼科を受診するようにしましょう。

白内障と緑内障の手術、同時に行うことができます

白内障と合わせて、緑内障治療にも注力しています。緑内障は自覚症状がほとんどないまま進行するため、定期的な検査での早期発見が欠かせません。治療の基本は点眼薬ですが、1つの薬剤で眼圧が十分に下がらない場合は多剤併用となるケースが多く、副作用や服薬負担の重さが問題になることが多いでしょう。こうした場合、進行を抑えるための方法として手術療法が選択されます。
当院では、初期~中期の緑内障の場合には、小さな切開で眼圧を抑える低侵襲緑内障手術を行っており、白内障と合併している場合には同時手術も可能です。これにより1度の手術で視力改善と眼圧コントロールの両立が期待でき、点眼薬の本数を減らせる可能性もあります。白内障手術のみを行う場合と比べて、傷口が増えたりすることはなく、侵襲度は同じ程度で白内障と緑内障の治療が同時に可能です。患者さんにとって負担が少なく、日常生活の快適さを取り戻しやすい選択肢だといえるでしょう。さらに、進行した緑内障の手術治療については大学病院などと密に連携して治療にあたっています。

手術治療に幅広く対応しています

当院では、視力に深刻な影響を及ぼす糖尿病網膜症や網膜・硝子体にかかわる病気に対して、手術治療を提供しています。日常生活で見え方に少しでも不便を感じたら、まずはかかりつけ医に相談してください。強い症状が出てからではなく、軽い違和感の段階で受診することが治療効果の最大化につながります。

Message

高本 光子写真

見えづらさは、もしかすると病気のサインかもしれません。 年齢を重ねていても負担の少ない手術で見え方の改善が期待できますので、ぜひ早めの受診を心がけましょう。

当院では、難症例の白内障や緑内障、硝子体疾患などにも対応できる体制を整えています。角膜以外は幅広く受け入れ可能ですので、安心して受診してください。

浅川 恵美写真